【旭堂南鷹の競馬講談したい馬】チャンピオンズCヴェンジェンス騎乗の幸「GIを勝てる、と言い切れるまではいかないけど…通用はする」

2019年11月29日 21時01分

前走のみやこSを制した幸とヴェンジェンスのコンビ

【旭堂南鷹の競馬講談したい馬】ダート競馬は好きな馬を挙げるとキリがなくて困る。

 例年より馬券は当たっていると思うが、会心のヒットは少ない。大体がどん詰まりの内野安打。今年の数少ないクリーンヒットの中に、ワイドファラオのユニコーンSがある。3歳にして芝、ダートの重賞制覇をやってのけた怪童だ。今回も、もちろん応援するがベストのマイルから200メートル長いのがどうだろうか。

 僕の中でタイムリーなのは、東スポ紙上で連載中の競馬の達人シリーズ「さわやかな鉄人 幸英明~ここに幸あり~」でお世話になっている幸のヴェンジェンス。幸英明といえば、人にも馬にも当たりの柔らかい印象。牝馬3冠のスティルインラブに代表されるように、若いころは「牝馬の幸」と記憶していた。それが近年ではホッコータルマエを筆頭に、ダートの猛者を操る豪腕の風情が漂ってきた。

 それまでとは真逆の個性で輝き始めたが「馬との巡り合わせだと思います」と幸自身は騎乗スタイルやトレーニング方法を変えていない。「ホッコータルマエに似て砂をかぶると嫌がる。外枠はかえっていいかも」。タルマエの癖については連載を読んでもらいたいが、ヴェンジェンスにも同じような癖があるという。とはいえ、能力はまだ追いつかないか。

「GIを勝てる、と言い切れるまではいかないけど、展開さえ向けばいい脚を使うのは間違いない。通用はすると思います」

 これまた好きなインティが武豊に導かれて巧妙な逃げを打つ。差し馬に不向きな流れが予想されるところだが、外国人騎手の動きは到底読めない。意外と速い流れになる可能性もある。

「外枠だし、人気もないので攻めていきます」

 ベテランという言葉がこれほど似合わない男はいない。さわやかな鉄人・幸英明の勝負乗りに期待したい。

【プロフィル】きょくどう・なんおう 講談師。マイケル・ジャクソンの自伝を読んで講談師の道を決意。演目は競馬、MJの他に「五代友厚」をシリーズ化。毎週日曜7時~ラジオ関西「旭堂南鷹の今昔なにわ物語」出演中。夢はグラミー賞朗読部門