【マイルCS】インディチャンプにWダノン恐るるに足らない逆転シナリオ

2019年11月15日 21時04分

インディチャンプは久々を叩いて、もくろみ通りに調子を上げてきた

【マイルチャンピオンシップ(17日=日曜、京都芝外1600メートル)新バージョンアップ作戦】第36回マイルチャンピオンシップは中距離の前走から参戦するダノンキングリー、ダノンプレミアムの2強ムード。ともにマイル実績も十分だが、新VU作戦の明石尚典記者は“現マイル王”のインディチャンプに◎。綿密なラップ分析からマイルGI連勝の可能性大という結論だ。

 エリザベス女王杯で人気を分け合った3歳のGI馬2頭はともに完敗(ラヴズオンリーユー=3着、クロノジェネシス=5着)。オークスの快レコード(12ハロン=2分22秒8)から世代レベルの壁など軽く乗り越えてしまう。そう確信していた当欄にとっては、改めて高速馬場での時計の価値という宿題を与えられる結果に終わった。

 それまでの詰めの甘さがウソのような決め手を繰り出したラッキーライラックには素直に拍手を送りたいが、Vタイムは平凡の域を出ない11ハロン=2分14秒1。5ハロン通過62秒8の超スローとはいえ、後半もべらぼうに速いラップが刻まれないあたりに今の京都の馬場レベルが透けて見える。マイルCSの想定Vタイムも1分33秒を割るかどうかといったところ。絶対能力の差が如実に表れる高速決着回避が濃厚となれば“2強”を形成するキングリー、プレミアムの両ダノンも決して安泰とは言えないだろう。

 春の王者に失礼な言い方になるが、ひとひねりしてインディチャンプを狙う。勝算あり、とみた根拠は今年の東京8~10ハロンで“2強”、そしてインディチャンプと接戦を演じてきたアエロリットとの比較にある。

 天皇賞・秋で前3ハロン35秒7+後3ハロン34秒8=70秒5を刻んだアエロリットに対して、ダノンプレミアムは36秒1+34秒5=70秒6。わずかコンマ1秒とはいえ、自身前後3ハロンラップ合計で着順との逆転現象が起こっているのは見逃せない。

 一方、安田記念のインディチャンプは35秒3+32秒9=68秒2で、68秒4(34秒5+33秒9)のアエロリットに完勝。同じクビ差ながらも、ダノンプレミアムよりインディチャンプのほうが中身は濃いとの見方が可能になる。

 54キロだった毎日王冠のダノンキングリーも自身前後3ハロンラップ合計(36秒6+33秒4=70秒0)ではアエロリット(35秒5+34秒5=70秒0)を上回ることができず。58キロを背負ったインディチャンプ(35秒7+34秒4=70秒1)とわずかにコンマ1秒差では、着差通りの完勝かには疑問が残る。斤量が4→1キロ差に詰まる今回は、逆転のシーンを描ける計算が成り立つからだ。

 長らく停滞気味だったマイル路線に、春秋制覇で待望の“絶対王者”が誕生――。ようやく新時代の幕が開く予感が漂ってきた。