【アルゼンチン共和国杯・後記】重賞初制覇のムイトオブリガード飛躍の可能性 角田師はJC参戦表明

2019年11月04日 21時01分

ムイトオブリガード

 3日(日曜)東京メイン、伝統の長距離GIIアルゼンチン共和国杯(3歳上、芝2500メートル)は、2番人気のムイトオブリガード(牡5・角田)が2分31秒5のタイムで初の重賞タイトルを手にした。すでにキャリア21戦の5歳馬だが、歴代の勝ち馬を見れば本格派の長距離戦を制した意味は大きい。新たに勝ち馬に名を連ねたこの馬の可能性を探る。

 1000メートル通過は62秒0というスロー。2日のGII京王杯2歳Sでレコードが出た馬場を考えれば、先行勢にアドバンテージがあるのは言うまでもない。すべてを見通したようにムイトオブリガード=横山典はスタートから気合をつけて3番手のインをキープ。そのままスムーズに流れに乗り、4コーナーを回ると逃げ馬のインに進路に取って一気にスパートした。坂下で早くも先頭に立ったが、これも上がり勝負を読み切っていればこそ。結局、後続に詰め寄られるシーンはなく、悠々と押し切った。

「思い描いていた通りのレースができた。最後まで一生懸命走ってくれたね。我の強い馬で以前は乗り手の指示に逆らうような面もあったけど、そのあたりを厩務員さんがなだめてくれたので、今日は乗っていて楽だった。このまま順調に行ってほしいね」と殊勲のベテラン。今春の目黒記念(5着)以来、久々の実戦だったが、会心の騎乗で持ち味を存分に引き出した。

 5歳の秋にようやくタイトルホルダーに。やや“薄め”だった今回のメンバーからすれば、安易に前途が開けたとは言えないのだが、近年の勝ち馬はその後大きく飛躍していることを忘れてはいけない。2015年ゴールドアクター(同年=有馬記念1着)、16年シュヴァルグラン(翌年=ジャパンC1着)、17年スワーヴリチャード(翌年=大阪杯1着)と目下、近5年の勝ち馬のうち、3頭が後にGI馬となっているのだ。

 となれば、今年の勝ち馬も侮れまい。管理する角田調教師はレース後、即ジャパンC参戦(11月24日)を表明。「涼しくなって体調が上がるタイプ。東京コースも合う」。すっかり手の内に入れた名手とのコンビなら、大仕事をやってのけるかもしれない。