【菊花賞・後記】武豊ワールドプレミアV 浮かび上がった「3冠最終戦改革」の必要性

2019年10月21日 21時35分

ワールドプレミアの背で勝利をアピールする武豊

 20日、京都競馬場で行われた牡馬クラシック最終戦のGI第80回「菊花賞」(芝外3000メートル)は、3番人気のワールドプレミア(牡・友道)が優勝。鞍上の武豊は当レース5勝目で史上初の昭和、平成、令和の3元号でのGI制覇となった。1988年スーパークリークでの最年少V(19歳7か月23日)、そして今回のワールドプレミアで最年長V(50歳7か月6日)の菊花賞記録まで達成。今後の同馬の可能性を含めてレースを検証する。

 京都芝外回り3000メートルはスタートしてからすぐに下りでスピードに乗りやすく、外枠の馬は折り合いをつけるのに苦労するため圧倒的に内枠が有利。「馬の状態、枠が良かったし、好スタートを切れたことで勝てるレースをしようと思った」と武豊。3枠5番という絶好枠を生かすには十分過ぎるほどの抜群のスタート。道中は中団のインでスムーズに折り合って完璧な立ち回り。勝負どころで他馬が仕掛けても、慌てることなく内のスペースが開くのを待って追い出しを開始する。残り200メートル地点で先頭へ。2着サトノルークスにクビ差まで迫られたが、並び掛けられてから突き放し着差以上に強い内容だった。

「折り合いを欠くところもなく、ズブさを出すこともなく上手に走ってくれた。春はクラシックに出られなかったけど、ようやく本格化してきた感じで勝ててすごくうれしい」。ディープインパクトの子供での勝利だけに武豊は感慨深げな表情を見せた。

「ひと言でジョッキーがうまいです。いいスタートを切って内ラチの経済コースを回ってロスのない競馬ができました。体質が弱くて春のGIに出走できなかったけど、精神面を含めて成長してくれた」と友道調教師は鞍上と愛馬の充実ぶりを絶賛した。今後は未定だが、鞍上の腕が問われる長距離路線を中心に進むのは間違いなさそうだ。

 ただ、菊戦線はダービー馬ロジャーバローズが屈腱炎で引退し、同2着ダノンキングリーはマイルCSへ。同4着サートゥルナーリアは天皇賞・秋へ参戦など、春の実績馬はこぞって路線変更。さらに青葉賞、セントライト記念を制したリオンリオンが故障で戦線離脱…牡馬クラシック最終戦は少々物足りなかったのもまた事実だ。

 これは記者の私見だが、菊花賞の施行条件が京都芝外2400メートルならサートゥルナーリア、ダノンキングリーの現3歳世代トップクラスの参戦も十分に考えられた。海外の主要GⅠ競走は2000メートルから2400メートルがスタンダードになっているだけに、3冠最終戦の思い切った改革が必要な時期が迫っているのかもしれない。