【凱旋門賞】“調整強度”に違いが出たフィエールマンとブラストワンピース

2019年10月03日 21時33分

ロングヒルを軽快に駆け上がるフィエールマン

【凱旋門賞(6日=パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)探券隊】初めて訪れた英国・ニューマーケットで、まず最初に感じたのは自然と馬と町の一体感。日本のトレセンはもちろん、世界の他の競馬場とも違う、町全体が競馬中心で回っているかのような雰囲気だ。

 当たり前のように車道脇を馬が縦列で歩き、横断歩道を渡る。調教場といっても簡単な柵で隔てられているだけで、その気になれば誰でも入り込める。芝で覆われた丘に幾本ものポリトラックや芝コースがあり、各厩舎ごとにまとまって日々の鍛錬が続く。

 ブラストワンピースの大竹調教師は「日本の馬と人が、いかに厳しい環境で競馬をしているかを痛感した」と話したが、エネイブルの強さなど二の次に“こんなにいい環境の中にいる馬に、日本馬が勝てるのか?”との思いが真っ先に浮かんだ。

 そのニューマーケットで調教中のフィエールマンとブラストワンピースは、ここまで2頭での併せ馬を3本消化するなど意欲的な調整が続く。一方で、フィエールマンは日曜(9月29日)に追い切った翌日の調教が引き運動だったのに対し、ブラストワンピースはバリーヒルで軽いハッキング。1日も前者がロングヒル1本に対し、後者はウォーレンヒルを上がってからのロングヒル。調整内容の強度にも、はっきりと違いが出ている。

 出国前、美浦の藤沢和調教師は自身が若き日を過ごしたニューマーケットについて「競走馬は毎日が調教、毎日が鍛錬。それを考えればニューマーケットは馬が育つ環境だよな。坂路での調教を昔からやってきて、それに倣って日本でもやってきた。だから日本馬には調教がしやすい。だけど、一番の問題はコンディション。シャンティイの馬が(英国の)ロイヤルアスコットを勝つし、エイダン(オブライエン)はアイルランドからいろいろな国で勝っている。どこの調教場が有利かは関係ない。能力がある馬なら余計なことはせず、いい状態にさえ持っていけばいいんだから」。

 調教場の良しあしの前に状態ありき――。当たり前で、かつ海外遠征のカテゴリーを前にすれば、これに勝るものはない。もちろん、コンディションを良くするために2頭が選択したのが、このニューマーケット。対エネイブル戦の前に、それにふさわしい体調を整えられるか――。今回の現地取材の最大の興味が、ここにある。