【スプリンターズS】モズスーパーフレア松若に音無調教師から「圧逃」指令

2019年09月27日 21時01分

行く準備は万端のモズスーパーフレア

【スプリンターズS(日曜=29日、中山芝外1200メートル)栗東トレセン発秘話】21~23日の3連休は、まさに“音無祭り”とも言うべき華やかな3日間だった。

 土曜の阪神メイン・大阪スポーツ杯をビックリシタナモーで勝ったかと思えば、日曜は中山のGIIオールカマーをスティッフェリオで勝利。これだけでも十分にすごいのだが、JRA開催のなかった月曜こそが3連休のメインディッシュであり、その大役を担って登場したクリソベリルがきっちりと船橋の交流GII日本テレビ盃を圧勝した。

 しかも、横綱相撲でねじ伏せたクリソベリルはともかく、ビックリシタナモーは「末脚一辺倒の馬なのでハマり待ち」(音無調教師)ながら、戦前に期待した通りの展開に。また、オールカマーにしても「下手に控えるくらいなら逃げたほうがいい。実際、丸山はこの馬で逃げ切りを決めたことがあるし、4角先頭ならチャンスがある」と、まさにトレーナーのもくろみ通りのレースぶり。理想が現実にならないことのほうが多い競馬の世界で、何もかもが思った通りに進むとは、それこそ“神降臨”と表現すべきレベルではなかっただろうか。

 よく耳にする「ツイてるヤツに乗れ」の格言は、ツイてる瞬間に乗るからこそ意味があるのであって、もしかしたら“ツイていたヤツ”になってしまうかもしれない今週末は、その効力を発揮しないかもしれない。

 しかし、そこは単純な運のみで勝ちまくっているわけではない音無厩舎。前述の重賞2勝で今年の重賞勝利数(地方交流を含む)を「9」とした地力が根源にはある。

 今週末も厩舎の勢いは止まらないだろうし、GIスプリンターズSのモズスーパーフレアはそれこそ止まってもらっては困る馬。とにかく行って粘り込むのみ。勝つか負けるかの前に“行き切ること”が何より重要なのだ。

 3番手に控えた前走の北九州記念。ハンデも影響したのか、ゴール前のひと伸びこそ利かなかったものの、勝ったダイメイプリンセスから0秒3差の4着に粘ったレース内容は、一見すると“味な競馬”をしたように思える。しかし、翌週の指揮官はなかなかのご立腹ぶりだった。

「いい競馬をするだけならあれでもいいけど、勝とうと思って出走させているわけだから、あの形では納得できない。直線の切れ味勝負で分が悪いのはわかっているだろうに」と、前半3ハロン32秒7のハイペースを考慮し、好位に引いた競馬をした弟子(松若)を痛烈に批判。その考え方は今回の一戦でも変わらない。

「6勝のうちの5勝が逃げ切りで、3つが今回と同じ中山だったんだけど、そのうち2回が前半3ハロンを32秒台でぶっ飛ばしていて、残りの1回も33秒2。ムチャなペースでもいいんだよ。むしろ、中山で2着に負けた一戦(昨年のラピスラズリS)は34秒0。脚をためた逃げは後続のいい目標になるだけなんだ。自分の形で競馬をしての敗戦なら文句は言わない。今回は競り込まれても負けずに行ってほしい」

 ちなみに過去10年で4角先頭の馬は〈2・3・1・4〉。1番人気がゼロ、勝った2頭もそれぞれ6、10番人気だったことを考えれば、「とにかく行くだけ作戦」はあながち間違いじゃない? もちろん、高速決着が続く中山芝でのタイムアタックはモズスーパーフレアにとって絶好だ。というわけで、今週も音無厩舎の逃げ切り勝ちに乗ってみる所存である。