【セントウルS・後記】タワーオブロンドン圧勝 強行ローテでも崩れなかった藤沢和調教師の眼力

2019年09月09日 21時32分

愛馬タワーオブロンドン=C・ルメールの快勝に満面の笑みを浮かべる藤沢和師(右)

 日曜(8日)阪神メイン、GIIセントウルS(阪神芝内1200メートル)は、1番人気に支持されたタワーオブロンドン(牡4・藤沢和)が1分06秒7のコースレコードで圧勝。サマースプリントシリーズでも最終戦で逆転で優勝を決めた。7、8ハロン路線から1200メートルへの転向を見事に成功させた要因とは? さらにゆとりを持って馬を出走させる藤沢和厩舎が強行ローテを選んだ理由は? 関係者に迫った。

 レースはマテラスカイ、ラブカンプーの先行争いで始まる。開幕週のパンパン馬場の中、先頭集団は前半3ハロン33秒フラットの快ラップを刻む。そんな中、タワーオブロンドンは出負け気味のスタートで、中団馬群の後方の位置取り。そこからじわじわポジションを上げ、直線に入って外に持ち出すと、叩き合う各馬を横目に、一頭違う勢いで突き抜けた。2着馬につけた差は3馬身。勝ち時計は1分06秒7のコースレコード。圧巻のパフォーマンスだった。

 引き揚げてきたルメールは開口一番「完璧」とひと言。「スタートは良くなかったけど、すぐにハミを取ってくれて、3~4角ではすごく走りたがっていました。直線に入った時は(勝つ)自信があったし、いい脚を使ってくれましたね」と振り返った。続けて「もともとボディーや脚の感じからスプリント戦が合うと思っていたんです」。その鞍上の見立て通りに、3度目の1200メートル戦でその才能が開花したレースとなった。

「札幌(キーンランドC)に使って、一度美浦に戻って中1週で阪神への輸送になったけど、体調が良かったからここに使いました」とは藤沢和調教師。強行軍でも、馬の状態を的確に判断して出走にゴーサインを出したのが英断。サマースプリントシリーズ最終戦での逆転優勝を手繰り寄せた。

「調教師としてはマイルぐらいは持ってもらいたいと思っていたんだけど」と、冗談交じりに距離への未練も口にしたが、前哨戦でこれだけ強いパフォーマンスを発揮した“6ハロンキング”を、頂上決戦に連れていかないわけにはいかない。

 指揮官は「火曜(10日)までこちら(阪神)にいて、美浦に帰します。スプリンターズSに行きます」と力強く宣言した。

 スプリンターズSは29日。ここまでの強行軍に加え、さらに中2週でのGI出走となる。ぶっつけなど、ゆとりを持ったローテーションが大一番のトレンドの昨今、異例とも言える臨戦過程だ。厳しい?とも思えるが、名伯楽の藤沢和師のことだ。本番でも才能が開花したタワーオブロンドンが最大限のパフォーマンスが発揮できるように調整してくれるはず。その走りを見るのが今から楽しみだ。