【京成杯AH・後記】トロワゼトワル日本レコードV 安田隆調教師のうれしい誤算

2019年09月09日 21時31分

日本レコードで京成杯AHを逃げ切ったトロワゼトワル

 サマーマイルシリーズの最終戦として行われたGIII京成杯オータムH(8日=中山芝外1600メートル)は、4番人気トロワゼトワル(牝4・安田隆)が1分30秒3の日本レコードで優勝。初の重賞タイトルを手にした。肝心?のサマーマイルチャンピオンは該当馬なしという締まらない結果に終わったが、その裏で魅力たっぷりのマイル界の新星が誕生した。

 まさに“技あり”の勝利だ。

 この日の中山7Rの3歳上1勝クラスによる芝1200メートル戦がなんと1分07秒2の決着。開幕週とあって馬場状態は絶好で、これを味方につけない手はない。トロワゼトワル=横山典は好スタートを決めると軽く促してハナを主張。首尾よくマイペースに持ち込むと、テンの600メートル地点ではすでに2番手に5馬身以上のリードを取る。その後もハイラップを刻んで、直線も独り旅。結局後続に迫られるシーンは一度もなく、悠々と逃げ切った。

「追って切れるタイプではないからね。開幕週で馬場はいいから、この馬の持ち味を生かした」

 横山典はさらりと振り返ったが、思い切った作戦を実践できるのは百戦錬磨のベテランならでは。数字を言えば前4ハロン44秒2→後4ハロン46秒1の前傾ラップだが、馬のリズム、高速馬場を考慮すれば、このペースで大丈夫という確信があったのだろう。

 もちろん、馬自身のパワーアップも見逃せない。今回は古馬になって初の重賞挑戦。ハンデ52キロだったとはいえ、いきなりのレコード圧勝は並の馬にできる芸当ではない。

「とにかく状態が良かった。前走(豊明S=1着)後はここを目標に順調そのもの。ただ、古馬になって初のオープンだし、壁はあるんじゃないかと思っていたが…」

 安田隆調教師も今回のVとその勝ちっぷりはうれしい誤算だった様子。次走は未定だが、この快速はマイル界にとって脅威。急成長を遂げたロードカナロアの娘の今後が楽しみだ。