【小倉2歳S・後記】デビュー3連勝マイネルグリット スター誕生を予感させる“懐の深さ”

2019年09月02日 21時31分

マイネルグリット(ゼッケン10)はトリプルエースとの叩き合いをクビ差で制した

 1日、小倉競馬場で行われたGIII小倉2歳S(芝1200メートル)は、3番人気のマイネルグリット(牡・吉田)が勝利。デビュー3連勝を決めるとともに、うれしい重賞初タイトルを手に入れた。重馬場の電撃戦を制した同馬の勢いは本物か? 検量室前の取材から展望する。

 雨が断続的に降り続いた最終日の小倉競馬場。先行馬が大きく内を空けて走ったかと思えば、差し馬が内から突っ込んできたりと、時間の経過とともに馬場の傾向もコロコロと変わった。

 そんな難しい局面でマイネルグリット=国分優が選択したのは「馬の力を信じて乗ること」。枠なり、出たなりで中団より少し前めの位置につけると、前を行く1番人気カイルアコナの動きに合わせて進出を開始。

 少し早めのスパートになったが、それも冒頭の言葉があってこそ。直線を向いても脚色は衰えず、外から力強く伸びてライバル13頭をねじ伏せた。テン乗りで最高の結果を出した鞍上は「流れに乗ることを重視して、思い通りの競馬ができました。かわしてからは長く感じましたが、馬が一生懸命に走ってくれました」と、2015年の函館スプリントS(ティーハーフ)以来、約4年ぶり3度目となる重賞制覇を喜んだ。

 馬に目を移せば、これでデビューから無傷の3連勝。現時点でかなり完成度が高いように思われるかもしれないが、陣営の見解は全く逆だ。「まだ完成形ではありません。この先の楽しみが広がる素晴らしい馬です」と国分優が話せば、吉田調教師も「まだ成長を促す程度で、ガンガン仕上げていたわけではありません。それで3連勝ですから、すごいですよね」。ポテンシャルの高さだけで重賞まで制したのだから、今後の活躍が楽しみでならない。

 小倉2歳Sは軽いスピード勝負になりがちで、本場の重賞にはつながりにくい傾向にある。しかし、今年は勝ち時計が1分10秒を超える遅い決着。メンバー最速タイの持ち時計がありながら、重馬場での力勝負にも対応できる懐の深さを持ち合わせた同馬の勢いは、秋を迎えても衰えることはないだろう。

 次走は未定ながら、このまま暮れの大舞台まで突っ走っておかしくない? そんなスター誕生の予感を感じた今年の小倉2歳Sだった。