【新潟記念・後記】ユーキャンスマイルが証明した「2000メートル適性」秋GIは2度笑う?

2019年09月02日 21時32分

岩田康は左ムチ連打でユーキャンスマイル(奥)を鼓舞してジナンボーの追撃をクビ差で封じた

 サマー2000シリーズ最終戦となった1日のGIII新潟記念(芝外2000メートル)は、2番人気のユーキャンスマイル(牡4・友道)が直線で抜け出して制覇。秋のGI戦線に弾みをつける勝利とした。一方でシリーズ優勝の規定を満たす馬は不在で、2006年の当シリーズ創設以来初のチャンピオン該当馬なしとなった。

 芝3400メートルのGIIIダイヤモンドSの覇者で、前走がGI天皇賞・春(芝3200メートル)5着だったユーキャンスマイルにとって、最大の課題は一昨年12月(2歳未勝利=2着)以来の2000メートルの距離にあった。それが、ワンターンの外回りコースも味方したのか、中団内ラチ沿いの追走からスムーズなコーナリングで直線を向くと、持ち味のしぶとい末脚を爆発させた。勝ち時計1分57秒5は過去10年で最速タイ。自身が駆使した上がり33秒6も出走馬最速タイで、数字上でも文句なしに2000メートルの適性を裏づける勝利になった。

「馬自身が力をつけていて追走が楽だったし、4角を向いたところで他馬が外に行って楽に抜け出すことができた。大きいところを狙える馬に成長している。もっと上を目指せる」と殊勲の岩田康。「春の天皇賞の時は(馬体が)ごっつかったから」と、馬自身の成長で体を上手に使えるようになったことを距離に対応できた最大の理由に挙げた。

 距離の幅を広げた一方で左回りは3戦3勝とした勝ち馬。友道調教師は「天皇賞の後に無理をして(レースを)使わず、北海道に移動して休ませたのが良かった。以前は馬体がポチャッとしていたけど、筋肉のメリハリがついて大人の体になった」と鞍上同様に馬体の成長を勝因に挙げたが、57キロを背負っての勝利は同じ4歳馬の2着ジナンボー(54キロ)、5着フランツ(55キロ)、10着レイエンダ(57キロ)らとの比較でも価値が高い。

 勝ち馬の父母(キングカメハメハ、ムードインディゴ)だけではなく、2着馬の父母(ディープインパクト、アパパネ)もすべて金子真人氏の所有馬(キングカメハメハ以外の名義は金子真人HD)。友道厩舎には同オーナーのマカヒキやワグネリアン(いずれも次走は10・27天皇賞・秋)など、古馬GI戦線の主役級もいる。

 天皇賞・秋と11・24ジャパンカップを念頭に「秋のGIは左回りなんで、それは(ユーキャンスマイルにとって)いいのかな。GIは(同厩や同馬主を理由に)使い分けるわけにはいかないので、同じレースになるのは仕方ない」と友道調教師。肉体的な成長と距離の選択肢を増やした充実の4歳馬が、今秋の古馬戦線をさらに盛り上げることになりそうだ。