【思い出の重賞レース=2018(平成30)年「セントウルS」】ファインニードルの“4月香港からのぶっつけV”が意味するもの

2019年09月03日 21時33分

4月香港からのぶっつけ参戦で連覇を達成したファインニードル(左)

【思い出の重賞レース=2018(平成30)年「セントウルS」】「セントウルSは夏競馬の延長だと思っています。実績のある馬も出てくるけど、夏の暑さを糧に調子を上げてきた馬のほうが有利じゃないですか」

 これは2008、09年のサマースプリントシリーズを制した橋口弘次郎元調教師が以前、口にしたコメントだ。

 橋口弘次郎厩舎といえば03、04、05年と同レース3連覇を果たし、08年には前記のサマーチャンプ・カノヤザクラでも勝利。数々のビッグレースを制した名伯楽であったが、セントウルSは最も得意にしていたレースの一つだった。

 その言葉通り、03年テンシノキセキは小倉日経OP(当時は芝1200メートル)からの臨戦で、おのおの休み明けだったビリーヴ&デュランダルを撃破。04、05年連覇のゴールデンキャストも04年小倉日経OP、05年北九州短距離Sから当レースに挑み、サニングデールなどのビッグネームを打ち破った。

 そしてそして、カノヤザクラもアイビスSDからスズカフェニックス迎撃…まさに“格より調子”。

 つまり夏の延長――。あのロードカナロアが2連敗した点からも、師の言葉がいかに真を突いているかがおわかりだろう。

 前置きが長くなったが、同レースは一昨年、昨年とファインニードルが連覇。17年は北九州記念からの参戦であり、橋口元調教師の言葉通りの結果だった。

 ただ、昨年は4月香港からのぶっつけV。昨年に関しては話がブレていると思われるかもしれないが、去年の今ごろ鵜木助手は「去年は(セントウルSを)勝った時点でもうおつりがほとんどない状態。夏を全力で駆け抜けましたからね。ただ、今年は叩き台というわけではないけど、次を見越したつくり」と言っていた。

 つまり昨年の状況は、当レースで敗れた過去の名馬たちと同じような境遇。それを打破し、セントウルSで勝利をものにしていたのだ。

 何が言いたいかというと、セントウルSだけに焦点を当てるなら、つまり馬券は、夏競馬組で異論はない。ただ、それらを秋始動戦でねじ伏せるような、ファインニードル的存在がいるとしたら…スプリンターズSがグッと近くなるわけだ。

 アンヴァル、ダイメイプリンセス、タワーオブロンドンなどのサマーグループVS高松宮記念以来となるミスターメロディ――。ダート馬の参戦がややこしいが、この構図を頭に描きつつ観戦してみるのも面白いのではないだろうか。

(大阪スポーツ栗東時計担当・清水友哉)