【エルムS・後記】モズアトラクション重賞初Vに導いた藤岡康の好騎乗と陣営の戦略

2019年08月12日 20時00分

モズアトラクションを優勝に導いた藤岡康はプレゼンターの武藤敬司(左)、神奈月(右)とLOVEポーズ

 11日、札幌競馬場で行われたGIIIエルムS(ダート1700メートル)は2番人気のモズアトラクション(牡5・松下)が差し切り勝ちを決め、初の重賞タイトルをゲットした。夏の北海道で持ち味の末脚を炸裂させた理由はどこにあるのか? 検証してみたい。

 戦前からハイペース必至と言われた一戦。モズアトラクションの差し切りは必然だったかもしれないが、それも同馬に4戦連続で騎乗する藤岡康のアシストがあってのもの。この馬の持ち味である末脚を引き出すべく、腹をくくってタイミングを待つとともに、小回りコースを克服する機動性まで引き出した。

「前回で確認したことを踏まえて、前にいる強い馬をなんとか捕まえられるように…と思った」と語った主戦を見守った松下調教師も手放しで褒める。「エルム(ニレ科の植物)の花言葉って“信頼”らしいですよ。某週刊誌を見て知ったんですけどね(笑い)」と話し、馬と乗り手の信頼関係が実を結んだ勝利であることを強調した。

 本来、モズアトラクションは暑さに弱い馬。昨年は夏負けの影響で体調を崩したにもかかわらず、今年はあえての夏稼働。勝因は北海道への遠征だ。「今年は涼しいところで調整できましたから。小回りが合わなければ放牧へ出すことも考えに入れていた。でも、小回りコースにもうまく対応してくれたので」(松下調教師)とイチかバチかの選択が吉と出たことを告白。手の内に入れた藤岡康の好騎乗、暑さに弱い馬を北の大地へと連れて行った陣営の戦略。この2つが今回の勝因だろう。

 最終的な決定はオーナーと相談してからだが、次走の有力候補として、松下調教師は9月28日のGIIIシリウスS(阪神ダート2000メートル)を挙げた。番組上では秋競馬でも9月末はまだ暑い。放牧先でも夏負けするほどの暑がりな同馬にとって、カギは残暑との闘いになるだろうか。この状況に対処できれば、夏の北海道で磨いたコンビネーションが生かされるはずだ。