【思い出の重賞レース=1997(平成9)年「北九州記念」】2週間のためだけに登場した名馬ダンディコマンド

2019年08月13日 21時34分

逃げ切りVを決めたダンディコマンド(左)

 スプリンターズSの前哨戦と考える関係者も増えた現在と違い、単なる夏の中距離重賞だった時代があった。仮にこの一戦が現在と同じ芝1200メートルであったのなら──小倉記念、小倉大賞典も制して“小倉3冠馬”となったメイショウカイドウも生まれなかったことになる。

 どちらがベストかは分からないが、芝1800メートルの時代にも数多くの名馬が登場していたことだけは確かだ。

 1997(平成9)年の北九州記念を勝ったダンディコマンドはGI級の能力を持っていた馬だった。

 ニホンピロウイナーの後継種牡馬になれる可能性さえあったかもしれない。900万下条件からの連闘策で逃げ切ったことばかりがクローズアップされるが、その前走は骨折明けなのに22キロの体重減。距離も1200メートルだった。

 その調整過程も決して順調なものでなかったように記憶している。厳しいハードルをクリアし、重賞のタイトルを獲得した同馬だが、その後の成績はひと息。度重なる故障で順調に使えなかったことが理由だ。

 この2週間のためだけに登場した名馬と言えるかもしれない。

(大阪スポーツ本紙担当・松浪大樹)