【トレセンの常識 私の非常識】1台6500万円の馬運車の中は天上の楽園だった!

2019年08月12日 20時02分

1台6500万円もする馬運車と赤城真理子

【トレセンの常識 私の非常識by謎の女記者・赤城真理子】競走馬は競馬場に「馬運車」に乗ってやってくる。競馬ファンの皆さんには常識ですよね。では人間はどうやって来るのでしょう? まあ、普通は電車か車です。調教師の方々なんかはそうなんですが、レースに出走する馬の担当者は? ある馬の取材で担当助手さんを探していた私は、そのとき衝撃的な言葉を耳にしたのです。

「ああ、馬運車に乗って出発したよ」

 な、な、なんですと!? 人も馬運車に乗るんですか! 厩舎の方にポカンとされてしまった私。でも運ばれていく馬たちの横に立ち、“付きっきり”で車に揺られるなんて…。私なら競馬場に着くころには虫の息になってます。

「そんなわけないやん(笑い)。人間はちゃんと寝るとこもあるし、快適やで」

 寝るところ…? どこに…?? あの中はまさかキャンピングカーのようになっているの???

 とにかく気になって気になって、馬が乗り込むときに遠くから目を細めて見てみたりしたのですが、何も見えねぇ。もう実際に乗せてもらうしかない! 馬運車の会社に取材を申し込みました。

 協力してくださったのは竹中運送。しかも「新車を持ってきました」と栗東営業所・所長の植村直行さん。やわらかなほほ笑みが絶えない、とっても優しそうな方です。

 竹中運送では12台もの馬運車を所有されているそうで、1台あたりのお値段は――なんと6500万円! 芦屋にだって十分いい家が建てられるのでは。超高級車なんだなあ…。この馬運車ですが、何と20トン超もあるので、近くで見ると相当な大迫力! 馬を含めて5トンまでの荷物が乗せられるそうなので、これくらいは当たり前なのかもしれませんが。

 まず乗せてもらったのは運転席の後ろ側にある人間用のスペース。ひ、ひ、広い! ちょっとしたお部屋くらいありますし、寝台列車のごとく、天井側に2つのベッドがついています。

 快適なだけでなく、担当さんがいつでも馬の異常を見逃さないよう、運転席の上には馬がいるスペースを常時、監視できるモニターがあるんです。何かあれば帯同する担当さんがすぐにいけるよう、人間用スペースとはドアでつながっていました。お茶などの飲み物も中の冷蔵庫で冷えてますし、まさに至れり尽くせり。引きこもりの私からみれば、天上の楽園ですよ。うらやましい! 私も毎回、馬運車で競馬場まで運んでほしいな~なんて。いや、冗談です。

 例えば札幌まで行くとなれば、半日以上かかるそうですが、帯同される担当さんは中でごろごろしながら好きな漫画を読んだり、タブレット端末を持ち込んで映画を見たりしながら過ごすんですって。「馬のために、ものすごい安全運転をしてくれるからね。揺れも少ないし、人間にとってもすごく快適だよ」とは田中一征厩務員(エアグルーヴやファインモーションを担当されていた腕利きです!)。

 やっぱりいいなあ。軽い旅行気分じゃないですか。私もトレセンの出口まで乗せてもらったのですが、本当に揺れない! 広い運転席のフロントウインドーから景色も見えるし、頭の中で「世界の車窓から」のBGMが流れるくらい、リラックスしちゃいました。

 そんな馬運車の人間用スペース。実際、どんなものなのか。気になりますよね? ご安心を! 実は今回、動画も回してきたんです。東スポWeb(https://www.tokyo―sports.co.jp/horse/movie/1502736/)から見られますので、ぜひ馬運車に乗った気持ちになってみてください。ちなみに次回は馬の目線で見る馬運車についてリポートします。そちらもお楽しみに!