【エルムS】リアンヴェリテは速い馬場で後続の追撃をしのげるか

2019年08月08日 21時31分

マリーンSを逃げ切りVのリアンヴェリテ(奥)

【エルムS(日曜=11日、札幌ダート1700メートル)札幌競馬場発秘話】今年の札幌ダートはとにかく速い。3歳未勝利でさえ1週目の1000メートルで58秒7、先週の1700メートルは1分44秒7(ともに良馬場)を記録。他場なら揃って2勝クラスの数字だろう。パワー型よりスピード型に分があるのは確かだが、速い馬場はそれだけ馬への負担も大きくなる。それは競馬だけに限った話ではない。

「輸送に弱いので現地競馬が理想となるタイプ。マリーンSが終わった翌週火曜(7月9日)に函館から札幌へ移動して、馬体回復の時間をしっかり取りました。それでも調整は難しかったですね。ウッドの函館と違い、札幌は(クッションの利かない)ダート調教を余儀なくされる。脚元にはきませんでしたが、胸前の筋肉で衝撃を緩和する分、そこに疲れが出る。距離を乗ると余計に疲れがたまるので、普段は角馬場をパスして調教しているんです」

 今週のエルムSにリアンヴェリテを送り出す山本達也助手の弁である。2歳馬にソエが出たり、古馬でも体に硬さが出るのは札幌で例年よく聞く話。調教する側にとっては、ある意味で技量を問われる舞台と言える。

 ただ、この山本助手が今回懸念するのは高速馬場に関してではない。大沼S→マリーンSがともに逃げ切り。札幌に舞台が替わっても、同じパフォーマンスができるか否かである。

「これまでも出ムチをくれて先手を取った馬。番手で控える競馬ができれば理想だが、ためて伸びる馬ではなく現状はハナがベストなんです。それだけに同型のドリームキラリに加えて、マルターズアポジーの参戦は気になるところ。ペースや時計は少々速くても我慢が利くから自分の形が取れればですね」(同助手)

 当方にとってイメージが重なるのは一昨年のテイエムジンソクだ。こちらも大沼S→マリーンSを連勝しエルムSを1番人気で迎えたが、2番手からドリームキラリをかわしたところを後方のロンドンタウンにうっちゃられた。函館よりもコーナーが緩く勝負どころで動きやすいのが、実は札幌ダートの最大の特徴。人気を背負い、高速決着を押し切るのはそう簡単なことではないのだ。

 それでもエルムSは現地滞在で挑める唯一のJRAダート重賞。同馬にとって今季最大の勝負どころと言えるだけに、その意気込みは他陣営の比ではない。武器とする心肺能力で“ジンソク超え”なるかに注目だ。