【レパードS・後記】JRA初の白毛重賞Vハヤヤッコ 大金星呼んだ「ギャンブル移動」と「田辺の好騎乗」

2019年08月05日 21時31分

猛暑の中を激走したハヤヤッコ。国枝調教師は水をかけて労をねぎらった

 4日、新潟競馬場で行われた3歳限定のGIIIレパードS(ダート1800メートル)は、10番人気の超伏兵ハヤヤッコ(牡・国枝)がクビ差で1番人気のデルマルーヴルを差し切って優勝。JRA初の白毛馬による重賞制覇を達成するとともに、秋のダート重賞路線に名乗りを上げた。

「さすが金子(真人)さんだよ」

 おそらく最も“持っている”オーナーの引きの強さに国枝調教師も感嘆せざるを得なかった。

 各場メインレースは30日に安楽死の措置が取られたディープインパクトの追悼競走として施行。3歳ダート路線のトップクラスが集った日曜新潟メインのゴール板を先頭で駆け抜けたのは、ディープインパクトと同じ勝負服をまとった田辺を背にしたハヤヤッコだった。父キングカメハメハ、母マシュマロ、母の父クロフネ、祖母シラユキヒメも同オーナーが所有となると見えざる力の存在を信じたくもなるが…。

 しかし、大敗した前走・青竜S(8着)からの激変は決してマジックでも偶然でもない。最初のプラス材料はレース条件が好転したこと。「芝スタートのマイルはこの馬には忙しかったからね。ダートスタートの千八のほうがレースはしやすい」とレース選択の理由を国枝調教師は説明する。

 そして目標のレースに向けて打って出たギャンブルも成功した。収得賞金900万円組は最終的に10分の8の抽選。除外(非当選)のリスクを承知のうえで先月25日に美浦トレセンから新潟競馬場に移動し、現地調整を選択した。

「坂路を使わなくても構わない馬だからね。暑い中で直前輸送を避けられたのは大きかった」と状態面での後押しが1番人気デルマルーヴル撃破という大金星につながった。

 そして「よく考えて乗ってくれた」と国枝調教師も絶賛したテン乗り・田辺のリードも見逃せない。

「本当は前で競馬をしようと思ってましたが、流れが速かったので待機策に切り替えました。いい脚で差し切ってくれた」と田辺。

 これで同騎手はラジオNIKKEI賞(ブレイキングドーン)、プロキオンS(アルクトス)、アイビスSD(ライオンボス)に続いて騎乗機会重賞4連勝を達成。まさに〝レースが見えている〟からこその好騎乗だった。

 関東オークス、クイーン賞など交流重賞こそ伯母にあたるユキチャンが制しているが、白毛馬によるJRA重賞制覇は7度目の出走となった今回が初めて。国枝調教師も「カワイイ」と目を細めるダート巧者が、ディープインパクトとは異なる舞台で全国的な人気を博す可能性は小さくなさそうだ。