【函館2歳S・後記】世代最初の重賞勝ちビアンフェ 短距離向き“血の系譜”を覆せるか

2019年07月22日 21時31分

ビアンフェはイレ込みながらもレコードタイで逃げ切った

 21日のGIII函館2歳S(函館芝1200メートル)は、今年の新種牡馬キズナ産駒で4番人気のビアンフェ(牡・中竹)が逃げ切り勝ち。半姉ブランボヌール(15年)との姉弟制覇で世代最初の重賞ウイナーに輝いた。今後の課題は? その将来性は? レースを振り返りつつ検証する。

「デビュー3走目で苦しがるそぶりを見せていたけど、スピード、能力だけで勝ち切ってくれた。2歳戦にしては速いラップ(3ハロン通過33秒6)だったが、楽に先手が取れて向かい風の中でも力強く伸びてくれた」

 今年の函館開催リーディング(15勝)も獲得した藤岡佑は、完成度の違いで押し切ったことに一定の評価はしたが、言葉の端々から今後の課題も見え隠れする。

 パドックこそ落ち着いて周回できていたものの、ゲート裏でのイレ込みが目立って枠内になかなか収まらない。先に入っていたマンバーが我慢できずにゲート内で潜って馬体に故障を発症し競走除外。平常心を失って、精神的にかなり追い込まれた状態。それでもゲートの仕切り直しで好発を決めて勝利したことは同馬の能力の高さを証明するものだが…。

 ただ、当週の最終追い切りをウッドでごくごく軽めの4ハロン58秒台にとどめるなど、今後のレースへ向けてのアプローチが難しくなっているのも事実だ。

「今日はイレ込みが激しくて冷静さを欠いていた。それでもお母さん(ルシュクル)、キズナのいいスピードを受け継いでくれて姉とは違う形で押し切ってくれた。今後はリフレッシュ放牧を挟むが、短いところからの使い出しになると思う。ただ、今後に向けていい意味でズルさが出てこないと…」と中竹調教師は3走目で気性面に不安が出たことに頭を悩ませる。

 姉ブランボヌール、快速で鳴らした母ルシュクルの血がそうさせるのか、短い距離へ適性がシフトしていく血統背景。世代最初の重賞を制したことで年内の最大目標はGI朝日杯FS(12月15日=阪神芝外1600メートル)になりそうだが、血の系譜を覆すことができるのか。今後の方向性は次走ではっきりするかもしれない。