【プロキオンS・後記】アルクトス重賞初V 短距離でも活躍できる高いスピード能力

2019年07月08日 21時31分

アルクトス(右)はギリシャ語で北斗七星。ダート界の新星が誕生した

 7日のGIIIプロキオンS(中京ダート1400メートル)は、2番人気のアルクトス(牡4・栗田)が直線で中を割って差し切り勝ち。重賞初制覇を飾った。戦前の予想通りの高速馬場で、圧倒的有利とみられていた昨年の覇者マテラスカイを破った理由とは?

 大方の見立て通り、ハナを切ったのは昨年の覇者マテラスカイだ。この日の中京は9Rのダート1200メートルでレコードが出る高速馬場。3ハロン通過33秒3で快調に飛ばす中、アルクトスは4番手をキープする。鞍上の田辺は「馬場が(前が残りやすい)稍重だったので、ポジションを取りに行った。1400メートルは忙しいし、メンバーも強かったので追走は楽じゃなかったけど脚をためてよく頑張ってくれた」。

 マテラスカイが早々と脚をなくして失速する中、田辺=アルクトスは内から強引に外に出して進撃。サクセスエナジーの進路を妨害したことで鞍上は13~21日まで9日間の騎乗停止となったが、動きはパワフルでゴール前はミッキーワイルドとの叩き合いをしっかりと制した。

 東京のマイル戦を中心に活躍してきたアルクトスだが、今回は芝のスプリント戦並みのペースにも対応し、自身の持ち時計を2秒2も大幅に詰めた。まだキャリアは浅いが、ここにきての充実ぶりは素晴らしい。

「最後は脚色が鈍ったけど、よくしのいでくれた。精神的な面でも成長を感じるのでこれからが楽しみです」と田辺。

 帯同した三浦助手は「冬場は加減しながらだったけど、暖かくなってから遠慮なく攻め馬ができているようになり、グングン成長している。まだまだ完成し切っていないので先が楽しみです」とその成長度を強調した。

 高いスピード能力を見せたアルクトスが短距離路線でも活躍できる下地があることが分かったが、田辺は「今日もまだ余力があったので1800メートルでもこなせると思います」。過去の8→5→6着だった距離でも通用する手応えを感じている。

 三浦助手は「今後については未定」と、次走以降の明言を避けたが、今の充実一途の現状なら短距離から中距離路線まで選択肢は広がってくる。アルクトスが秋にどの路線を選択し、どのようなレースをするのか? 興味は尽きない。