【七夕賞】アウトライアーズが天の配剤を味方に曇天を切り裂く

2019年07月05日 21時02分

馬房で英気を養うアウトライアーズ。落ち着き十分だ

【七夕賞(日曜=7日、福島芝2000メートル)新バージョンアップ作戦】今年のサマー2000シリーズは7日のGIII七夕賞からスタートする(9・1新潟記念まで全5戦)。波乱の歴史に彩られた難解なハンデ戦で、新VU作戦の明石尚典記者が最重要ポイントとしたのは馬場状態。例年の高速決着はなしと読んで、アウトライアーズを混戦の主役に指名した。

 2013年から最終週→2週目へと施行時期が変更。以降は1分58秒台の決着がデフォルトとなりつつあるものの、今年も高速決着に落ち着くかはいささか疑問符がつく。

 開幕初日の3勝クラス・テレビユー福島賞のVタイムが6ハロン1分08秒4(良)。不良へと馬場レベルが急落した翌日のGIIIラジオNIKKEI賞は9ハロン1分49秒8。週が明けてもすっきりしない梅雨空が継続中となれば、例年のようなスピード決着はまず望めまい。もともとが上位人気馬受難のレースキャラ。Vゴールへのハードルが下がる低速決着濃厚なら、一発長打を狙う価値は十分にあるだろう。

 本命決断はズバリ、アウトライアーズ。条件さえかみ合えば重賞タイトルに手が届く。そう確信しての軸指名だ。

 根拠は17年スプリングSで見せたパフォーマンス。3ハロンごとの3分割ラップ36秒4→35秒7→36秒3と中間3ハロンが最も速いタイトな流れでコンマ1秒差2着。最後は勝ったウインブライトとの我慢比べに屈した格好だが、自身のラスト6ハロンラップ合計70秒7(中間3ハロン35秒0+上がり3ハロン35秒7)は、勝ち馬(35秒2+35秒5=70秒7)と全く五分の数字。その後も重賞タイトルを積み上げ、ついには異国の地でGI馬へと上り詰めた俊英に半馬身差肉薄――。その事実だけでポテンシャルの高さがお分かりいただけよう。

 これまで挙げた全4勝のVタイムは未勝利=10ハロン2分03秒7、ひいらぎ賞=8ハロン1分34秒8、松島特別=10ハロン2分02秒0(稍重)、関門橋S=9ハロン1分49秒9。一目見ただけで高速決着とは無縁の、いかにも低速決着でこそのキャラが浮かび上がってくる。パンパンの良馬場を避けられるのはまさに僥倖。これ以上ない天の配剤を味方に、曇天を切り裂く大アーチを描く。