【GI愛ダービー】オブライエン厩舎の“脇役”ベギー騎手が快挙達成

2019年07月04日 21時30分

【TPC秋山響の海外競馬解析】パドレイグ・ベギー騎手がまたしても伏兵をダービー馬へと導いた。

 6月29日にアイルランドのカラ競馬場で行われたGI愛ダービー(芝12ハロン)に単勝34倍のソヴリンと参戦したベギー騎手。前走のGI英ダービーで逃げて10着だったこのコンビは、ここも同じA・オブライエン厩舎に所属する英ダービー馬アンソニーヴァンダイクや同4着のブルームのペースメーカー役と見られていたが、スタートからよどみないペースで逃げると、そのまま後続を完封。2着アンソニーヴァンダイクに6馬身もの差をつけた。

 ベギー騎手は2017年にはGI英ダービーを勝っており、これで英愛ダービー制覇を達成。英ダービーの時は単勝41倍のウイングスオブイーグルスで後方一気を決めてファンの度肝を抜いたが、今回も人気薄で鮮やかに逃げ切って、再び波乱の立役者となった。

 そしてもうひとつ驚いたのは、ベギー騎手にとってはこれがなんと今年の初勝利だったということ。

 現在33歳のベギー騎手は2014年にオーストラリアで禁止薬物の陽性反応が出たことにより免許停止処分を受けて帰国。その後は救いの手を差し伸べてくれたオブライエン調教師の下で多くの馬の調教をつけながら騎手を続けているが、R・ムーア騎手やD・オブライエン騎手といったトップ騎手が厩舎の主戦格として揃う中で、騎乗することさえ難しい状況にある(今年は愛ダービーまでにアイルランドで8戦、英国で1戦のみ)。

 しかし、2年前の英ダービーや今回のように与えられたチャンスはしっかりものにしている印象があり、腕は確か。レース後、このレース6度目となる1~3着独占で、13度目の優勝を飾ったオブライエン調教師も「予想していた結果ではなかったが、ベギー騎手の騎乗は満点」とたたえた。