【宝塚記念GP値】“いい女”に成長リスグラシュー「42」夏負けの心配なし

2019年06月19日 21時32分

活気十分な走りを披露するリスグラシュー

【宝塚記念(日曜=23日、阪神芝内2200メートル)令和元年・宝塚決戦「夏の祭典」独断!グランプリ値】独創的かつ独断的に、第60回宝塚記念の有力馬の可能性を数値化する「グランプリ値」。今回は海外遠征明けの関西馬に迫る。昨年暮れと今春に2度の香港遠征を行ったリスグラシュー。本来なら理想のステップとは言い難いが、海外武者修行が血となり肉となったようだ。

◇リスグラシュー(GP値42=実績8、夏女10、舞台8、ローテ8、道悪8)◇

 今やぶっつけ参戦でのGI制覇がトレンドとなりつつある競馬界。必然、数を使っている馬はその消耗度を指摘され、不安視される。

 まして上半期のGI最終戦となる夏のグランプリとなれば、なおさらのこと。暑さの影響で本来の走りができないことを懸念する声は高まる。宝塚記念はこの暑さとの戦いでもあるのだ。

 今年のメンバーで真っ先に酷なローテーションと疑われるのはリスグラシューだろう。昨秋のエリザベス女王杯で悲願のGI制覇を達成して以降、短期間で2度の香港遠征を敢行。もともと輸送で体を減らすタイプとなれば、不安が先に立つのも無理はないが…。これを真っ向から否定したのは北口厩務員で「暑さに弱いって? この子のデビューは8月の新潟やで。それにこの間の香港(クイーンエリザベスII世C=3着)は“ここは熱帯か”ってくらいにめちゃくちゃ暑かったけど、まるで問題なかったからね」と全く意に介していない口ぶりだ。

「香港の馬房は水おけとカイバおけが離れたところにつってあるんだ。それにはプイッとそっぽを向いたのに、試しに日本流の位置に変えてみると、バクバク食べ始めた。おけで遊んであたりにこぼしながらというのも普段通り。自分が気に食わないことはしない、ムダなことにも気を使わない。要はお姉さんになったってこと。それで昔ほど、体重の変動もなくなった。若いころに比べて調整がやりやすくなったのは間違いないし、夏負けを心配するような弱い馬じゃなくなったよな」(北口厩務員)

 思えば人馬の絆を深めたのがエリザベス女王杯だった。実はその勝利から3日後、北口厩務員は腹膜炎を発症して緊急入院するアクシデントに見舞われている。

「ずっと痛かったんだけど、やっぱり何とかGIを勝たせたい気持ちが強かったから我慢できたのかな。勝ったときのうれしさの後に痛みが一気にやってきて…。医者には“あと3日遅かったら命が危なかった”って言われたよ」と笑顔で振り返る北口厩務員とのコンビだからこそ、リスグラシューは長く活躍を続けていられるのかも。

 ちょっとワガママだが、しっかりと空気は読め、自己主張はしても、やるべきことには全力投球。そんな“いい女”へと成長したリスグラシューが、「夏は牝馬」の格言通りに大舞台で牡馬たちをなぎ倒すシーンは十分にあり得る。