【函館スプリントS・後記】カイザーメランジェ逃げ切りV 殊勲の江田照7年ぶり重賞制覇「まだ生きてます」

2019年06月17日 21時30分

7年ぶりに重賞を制覇した江田照

 禁止薬物による競走除外の影響で7頭立て(当初は13頭)で行われた16日のGIII函館スプリントS(函館芝1200メートル)は、5番人気のカイザーメランジェ(牡4・中野)が逃げ切りV。6ハロン初参戦だった1番人気のタワーオブロンドンは3着に敗れた。

 カイザーメランジェが刻んだラップは前半=34秒4、後半=34秒0。6ハロン戦、ましてや重賞で前半よりも後半が速いのはめったに見られない。58キロを背負いながらも直線入り口まで中団でじっくり構えたレーン騎乗のタワーオブロンドン、52キロの軽量だった小崎騎乗の3歳馬アスターペガサス(2着)も2番手から積極的に前を捕らえようとはせず、結果的には楽なペースで勝ち馬の逃げ切りを許した形だ。

 GI高松宮記念4着のダノンスマッシュや重賞で連続2着のリナーテなど、出走していれば上位人気必至だった有力馬がゲートインできなかった。また勝ち馬の将来性、あるいはタワーオブロンドンのスプリント適性など、今回の結果が当路線の力関係に及ぼす影響は少ないかもしれない。

「他に行く馬がいなかったし、一番スピードがあると思っていたので小細工をするよりもと、ハナに行った。道中もリラックスして最後まで頑張ってくれました。ここ数戦で何回(今回が3回目の騎乗)か乗せてもらって素直な馬だと感じていた」と殊勲の江田照。

 自身にとっては2012年のGII日経賞(ネコパンチ)以来、7年ぶりの重賞V。当時もやはり人気薄(12番人気)での逃げ切りだったが、テレビの勝利インタビューの最後には「まだ江田照男は生きています!」とアピール。穴男の元祖が、好判断の快騎乗で久々に存在感を示した。

 中野調教師は「(前走の6着だった韋駄天Sで直千競馬を使っていたので)行きっぷりが良くなってこうなる(ハナに行く)と思っていたが、僕からは何も指示はしていない。競られない少頭数も良かった。それにタワーオブロンドンが後ろにいたから他馬の乗り役も後ろを意識したんでしょう。勝つ時はこんなもの」。様々な要素に恵まれての勝利を認めつつも自然と笑みがこぼれた。

 今後は放牧を挟んでGIIIキーンランドC(8月25日=札幌芝1200メートル)へ。今回2着以内に入らなければ、福島のバーデンバーデンC(7月14日)を挟む予定だったが“ボーナス休養”で力を蓄え、サマースプリント王のタイトルも視野に入れることになる。