【マーメイドS・後記】重賞初Vサラス 先行から後方待機への路線変更ズバリ!

2019年06月10日 21時30分

道中最後方から直線で豪快に伸びたサラス(手前)が重賞初制覇

 9日のGIIIマーメイドS(阪神芝内2000メートル)は、7番人気の伏兵サラス(牝4・西村)が最後方待機から直線で末脚を伸ばし、先に抜け出したレッドランディーニをハナ差で捕らえて優勝。重賞初勝利を飾った。3勝クラスからの格上挑戦で重賞を勝ち切ってしまった要因をレース後の取材から探った。

 レースはアドラータの単騎逃げ。道中で大きな動きもなく淡々と進むが、残り800メートルを切ったあたりから待機勢がペースを上げにかかる。最後方の内にいたサラスはこの時に動かず、仕掛けをワンテンポ遅らせる。その松若の判断こそが、ゴール前の最後のひと押しにつながったのではないだろうか。

 直線は松若の叱咤激励にサラスが応え、大外を真一文字。まとめて差し切った。「しまいを生かすプランを立てて、その通りのレースができました。届いてくれと必死に追いました」と、直線を目一杯に追ってきた松若。額の汗が光った。

 サラスが昨年10月に1000万下を勝ったのは2200メートル戦。好位からの抜け出しだった。それ以降は3回連続で2400メートルを使い、先行策を取っていたが、3→10→7着と結果が出なかった。それが休養を挟んだ前走のパールS(芝1800メートル)では後方待機策から最速上がりをマークしての3着。それまでの同馬のイメージを覆したこの一戦が今回の布石になった。

「もともと素質は高いと思っていたけど、気難しさがあったり、長めの距離を使っていた時期もあって、ここまで来るのに時間がかかった。1800メートルから2000メートルが合っているし、焦らせないでしまいを生かすレースが合っているね」とは管理する西村調教師。

 休養期間中にサラスの適性と性格を再チェックし、路線変更&脚質転換。それが「前走を使ってから気持ちが入って、具合も良くなっていた」(松若)と今回の結果につながる。サラス、そして西村調教師自身の重賞初制覇を導く見事な判断だった。

 今後については「一旦、リフレッシュしてから」と明言を避けた同師だが「これで秋は大きいところが狙えますね」とも。初タイトルを手にしたサラスと西村調教師の視界は良好だ。