【安田記念】アーモンドアイ 3つの不安を検証

2019年05月29日 11時00分

アーモンドアイ&ルメールはカメラ目線で万事OKをアピールした

【安田記念(日曜=6月2日、東京芝1600メートル)得ダネ情報】昨秋のジャパンCを世界レコードで制し、年明け初戦のドバイターフもクリア。GI・5連勝の快進撃を続けるアーモンドアイのワールドクラスの能力に疑問を挟む余地はないが…。第69回安田記念は、実は越えるべきハードルの多い一戦だ。それを検証せずしての主役扱いは、安易過ぎる提灯記事とやゆされよう。果たして真の主役にふさわしいか否か、3つのキーワードを関係者にぶつけた。

【越えるべきハードル1・海外遠征帰り】海外からの帰国初戦で人気馬が思わぬ敗戦を喫するケースは結構ある。近年では凱旋門賞後のマカヒキ(2017年・京都記念=3着)やサトノダイヤモンド(18年・金鯱賞=3着)。16年のドバイターフを制したリアルスティールも続く安田記念は11着に大敗した。輸送や環境の違いから受けるダメージが国内の比ではないからだろう。ましてアーモンドアイはレース後に熱中症のような症状が出る馬。体調面に陰りがあっても不思議はないが…。

 国枝調教師「良くも悪くもオンとオフのハッキリしたタイプなんだ。普通、レース後のサラブレッドは興奮状態で、数日後に疲れを見せるもの。この馬がレース直後にフラフラするのは、そんな早過ぎる気持ちの切り替えが一因かもしれない。ただ、逆もまた真なりで、ダメージの回復がその分、早いのも特徴。今回も帰国直後のノーザンファーム天栄ではもう元気いっぱいだったし、美浦でも1本目の追い切りからホレボレする動きを見せた。もう夏のような暑さだが、むしろ寒い時期より硬さがなく、馬体にも張りがある。典型的な夏型の牝馬かなという印象を受けるくらいだよ」

【越えるべきハードル2・凱旋門賞ロス】当初、陣営が今年の最大目標を凱旋門賞に置いていたのは周知の事実。今回の安田記念は挑戦断念の末に浮上した“突貫プラン”である点は否定できない。そして、この手の“王道馬”のマイル参戦がイージーでないのもまた事実。昨年は大阪杯Vから転じたスワーヴリチャードが3着。11年ヴィクトリアマイルでは前年の年度代表馬ブエナビスタが2着に敗れている。マイル仕様への切り替えの難しさを歴史は物語るが…。

 ルメール騎手「確かにベスト距離は2000メートルくらいだと思う。けれど桜花賞はメチャメチャ強かった。直線の長い府中ではいつも強いレースをしているし、ドバイターフ(1800メートル)でも好位で流れに乗って、いいスピードを見せてくれた。もちろん、ダノンプレミアムは強い。でもアーモンドアイはずっとパーフェクトです。彼女が一番上だから、距離も相手関係も心配していませんよ」

【越えるべきハードル3・ゲート不安】現状の東京の超高速ターフにおいて、位置取りは勝利への重要な要素。1分30秒5のレコード決着となったヴィクトリアMで、33秒0の最速上がりをマークしたプリモシーンは、クビ差届かず2着に終わった。自己最速上がりが33秒2のアーモンドアイにとって、出遅れは致命傷となる可能性もはらむが…。

 国枝調教師「ゲートボーイが付いたドバイは安心して見られたけど、ジャパンCは発馬前に一度立ち上がりかけた。ゲートの駐立にまだ課題があるのは事実だね。それでも帰厩後は毎週のようにゲート練習をしているし、以前に比べて精神的なドッシリ感も増している。まあ、レースが流れてくれるのが理想だが、発馬をうまくクリアさえしてくれればって気持ち」

 アーモンドアイのGI連勝が今回ストップするなら、出脚がつかず、しかも前残りの後傾ラップになった際か。その意味でこれから一番に注目すべきは、落ち着きや集中力といった日々のメンタル面なのだろう。そこに不安が見つからなければ…主役の座は揺るがないはずだ。