【“剛腕”郷原のGI指南「日本ダービー」(最終回)】最有力サートゥルナーリアの唯一の不安点は?

2019年05月24日 20時59分

郷原元騎手

 こんにちは、郷原洋行です。

 早いもので今年も日本ダービーがやってまいりました。私は現役ジョッキー時代に2度、このレースを勝たせていただきましたが、見る側に回った現在もやはり特別なレースという気持ちがあります。今年も良い勝負が見られることを期待しております。

 その今年のメンバーですが、皐月賞の際も記した通り、いの一番に注目したいのはやはりサートゥルナーリアです。見るからに柔らかい感じの背中を使っての走り方。調教でいいので一度、その乗り味を味わってみたいと思わせる馬です。

 実際に休み明けで皐月賞を勝つのだからポテンシャルの高さも疑いようがないところ。最も有力とみて良いでしょう。

 唯一、不安点があるとすれば乗り替わりでしょうか。レーン騎手は中間の調教では一度乗ったようですが、果たして馬群の中でもひるまずに我慢できるのか? トップスピードの流れの中でどのくらい反応するのか?など実際に競馬へ行ってみなければ分からない点も多々あります。このあたりがどうでしょうか?

 また、ルメール君から助言を受けたかどうかも分かりませんが、このようなアドバイスも100%、伝えるとは限りません。これはルメール君とレーン君がどうというわけではなく、一般論として、前任者としては必ずしも他のジョッキーで勝ってほしいとは思わないこともあるからです。

 私がリュウズキで菊花賞に挑んだ時、同じ矢倉玉男厩舎でやはり私が乗っていたニットエイトも出走してきました。そちらは伊藤竹男さんに乗ってもらうことになりました。竹男さんは兄弟子みたいな存在だったので馬の癖なども隠さず伝授したところ、競馬では見事に負かされてしまいました。

 ちなみにレースが終わってすぐに「どこにいたのですか?」って聞いたら「ずっとおまえのすぐ後ろにいたよ」と言われました。

 今回は皐月賞の上位組、サートゥルナーリアと差のない競馬をしたヴェロックス、ダノンキングリーが逆転候補でしょう。ダービーは別路線で参戦してくる馬が秘密兵器などと言われ穴人気になったりしますが、昔から終わってみれば皐月賞組が強いもの。今年もそうなると思うので、皐月賞の上位3頭は相手の位置を気にしながら競馬をするかもしれません。そういった駆け引きにも注目して見てみたいと思います。

 さて、長らくお世話になりましたこのコーナーも今回をもちましてひとまず終了とさせていただきます。私自身、昔を思い出しながら検討するのは大変面白かったので残念ですが、少しでも皆さまの予想の参考になればと思い続けてきました。いかがでしたでしょうか? またどこかでお会いする機会がある事を願っております。では、皆さまが良いダービーを観戦できますように。長い間、ありがとうございました。

(構成=競馬ライター・平松さとし)