【NHKマイルC】本質はダート馬ワイドファラオ 痛し痒し?の芝GI参戦

2019年05月03日 21時01分

軽快な脚取りで登坂するワイドファラオ

【NHKマイルC(日曜=5日、東京芝1600メートル)栗東トレセン発秘話】キングヘイローにカレンブラックヒル、グランプリボス。ダート替わり一発目の馬に何度も煮え湯を飲まされてきたが、別に後悔はしていない。それだけの可能性を感じたからこそ◎を打った。正直、レースが始まるまでは「こんなに配当がついていいのか?」と思っていたほどだ。

 むしろ、ダート適性が高いと常日頃から感じているのに、なかなかダートに転向してくれない。こんなパターンのほうがフラストレーションがたまる。都合のいい番組が目の前にあるにもかかわらず、そこにかじを切らない理由──。それは〝適性が低い〟はずの芝のレースで結果を残してしまっているためで、NHKマイルCに出走するワイドファラオはまさにそんなタイプの馬だ。

「お母さんのワイドサファイアは芝で走っていた馬ですし、オーナーサイドもまずは芝でどれほど走るのかを見てみたいでしょうからね」という理由で初戦は東京の芝1600メートルを選択。しかし、当時から「でも、父がヘニーヒューズで乗った感じもダートという雰囲気なんですよ。スピードがあるので芝でもいい競馬ができると思いますが、ダートの1400メートルに替われば、恐らくはぶっちぎると思います」と陣営は言っていたほどで、ゆえにダート替わりの瞬間をこちらは今か今かとやきもきしている。だが、その成績はご存じの通り。

「中京の未勝利を勝って休養させたんですけど、あのときは馬が煮詰まっていて、状態が明らかに悪かった。勝っても負けてもリフレッシュさせると決めていたくらいですから。休み明けを叩けばさらに良くなることは分かっていたから、芝の重賞でどれくらいのレベルにあるかを確認。番組が豊富な500万下のダート1400メートルで確実に勝てばいい。そう思っていたんですが」と記者に同調してくれたのは同馬を担当する高田助手。なのに、芝のGIIをあっさりと勝ってしまった。またもやダートに転向するチャンスを逸してしまったのだ。

「1番枠だし、スタートセンスも抜群。あの展開もありえるかな、とは思っていたけど、簡単に勝ってしまいましたね」と高田助手も予想外の展開に苦笑い。結果を出し続けているにもかかわらず、なぜか歯がゆさを感じる不思議な状況。もしかしたら、このまま芝を走り続けてしまうんじゃないだろうか?

「グランアレグリアにアドマイヤマーズ。今回は先行馬が強力ですよ。その馬たちと同じ位置から競馬をして、どれほどの脚を持っているのかを確認できれば先にもつながるけど、天才的なスタートセンスの持ち主。イベリスは必死で行くでしょうが、その次あたりのポジションには収まってしまうと思うんです。いい目標にされなければいいんですけどね」と展開をシミュレートし、旗色悪しをにおわせたのは辻野助手。

 しかし、そんなこんなで結果を出し続けている馬。ここで相応の結果を出してしまえば、今春一番の適鞍になるユニコーンSもスルーされてしまうかもしれない──。全力で応援すべきか否か。悩ましい数週間を送っているのである。