10年ぶりダービー出走へ2頭出し狙う武藤厩舎

2019年05月02日 21時31分

フリージア賞で好時計Vを飾ったアトミックフォース(右)

【美浦トレセン発秘話】日曜(28日)の夕刻に晩酌をたしなんでいると、「今日は平成最後の“山村デー”でしたね」とのメールが届いた。何かといえば、東京・スイートピーSは国枝厩舎がV、天皇賞・春は手塚→尾関厩舎のワンツー。さらに香港・クイーンエリザベスII世Cは畠山厩舎が制覇…わが担当厩舎が3場メインジャックを遂げたのだ。むろん馬券も伴えば、これに勝る取材の喜びはない。まさに当夜は勝利の美酒だったわけだが、個人的に何よりうれしかったのはオーラスのウインブライトである。

 3歳時から主戦・松岡正海が取材のたびに、「後ろがパンとすれば大きいところが取れる」と言い続けてきた晩成型。放牧から帰厩するごとに、担当の野木晴久厩務員には腰や後肢の状態を確認し、成長度合いを測ってきた。「俺が乗る馬のレベルを超えてきた」と松岡が“完成品”を保証したのは2月の中山記念。人が馬を育て、馬が人を育てる。あのフライング気味のガッツポーズには、きっと彼のすべての思いが詰まっていたことだろう。

 さて、今週は「マッハヴェロシティ(2009年8着)以来のダービー出走を!」と武藤善則調教師が燃えに燃えるプリンシパルS=アトミックフォースに注目する。こちらも長くて深いお付き合いの担当厩舎だが、ことダービーとなると出走はまだ10年前の一度きり。指揮官に力が入るのは当然だ。

「昇級後2戦(7→9着)は出負け気味で自分の型に持ち込めず。それが放牧を挟んだ前走はスタートを決めて、なおかつ3ハロン33秒2の最速上がりを発揮してくれた。強い相手にモマれた経験が馬を磨いたんだろうね」

 武藤調教師がこう語るフリージア賞(東京芝10ハロン)は1分59秒9の好時計V。加えて0秒2差2着シフルマンは次走・若葉Sが3着、3着シャドウディーヴァはGIIフローラSをハナ差2着。6着エデリーも新緑賞クビ差2着だから、冷静に見ても評価できる走りだろう。

「中間の稽古もシュシュッと反応して、あの脚がフロックじゃない姿を見せている。前走と同じ舞台で同じ騎手。当時は半信半疑だったろうが、ある程度の位置で我慢できれば脚を使うことは田辺も分かったはず。あれだけ走ればここでもやれる。京都新聞杯のナイママも1週前に騎乗した(柴田)大知のテンションが上がっていたし、ダービーに2頭出せれば最高だね」と指揮官。さあ、今週は令和最初の“武藤デー”に期待しようか。