【NHKマイルC】早めのマイルへの路線変更で輝いたカテドラル

2019年05月01日 21時30分

マイルの差し馬として“再生”したカテドラル

【NHKマイルC(日曜=5日、東京芝1600メートル)栗東トレセン発秘話】3歳馬同士なら距離もこなせるんじゃないか――。そんな楽観的なアプローチで、距離不安を抱えながらも、ダービーやオークスに出走する馬たちが例年、結構な数いる。その手の馬たちは夢破れた秋以降に、マイルやスプリント路線など、本来いるべき主戦場に落ち着くことになるわけだ。

 関係者の立場でみれば、やはり一生に一度のクラシックを目前にして、それをあきらめるのは、なかなか難しいことなのは容易に想像がつくが…。中には早い時点で見切りをつけて、別路線にコンバートさせる、ある意味“勇敢”なケースもある。

 カテドラルは昨夏、中京芝2000メートルの新馬戦を快勝。秋にはオープンの野路菊S(阪神芝外1800メートル)も突破した。無傷の連勝を飾ったこの時点で、すでに収得賞金は1200万円。今年の皐月賞出走順位に当てはめれば17位のポジションだ。つまり、昨年9月の時点で皐月賞のボーダーラインをクリアしていたことになる。

 しかし、続く東京スポーツ杯2歳S、さらには年明けの京成杯でともに11着と結果が出ない状況が続くと、スパッとクラシックへの道をあきらめ、マイル路線に矛先を変えた。もともと短距離~マイル路線を走っていた馬が、距離を延ばして結果が出なかったことで、元の路線に戻すケースはよくあるが、初っぱなから中距離路線を走っていた馬にしては、実に早い決断である。

「実を言うと、京成杯のレース前の時点で、結果次第ではマイル路線に行こうと思っていました。気性的に他馬と並ぶと抜かしたがるところがあって、どうしてもリラックスして走れませんでしたから。このまま長い距離に行くより、短いところのほうが力を出せると思ったんです」とは管理する池添学調教師だ。

 同じキャロットファームには、無敗のまま皐月賞を制したサートゥルナーリアという「大看板」がいるだけに、「使い分け」との見方もできる。が、初のマイル戦となった前走のアーリントンC(2着)でマークした最速上がり33秒3は鮮烈。中距離からマイルへの路線変更の賭けに成功したことは間違いなかろう。

「稽古で見せるポテンシャルの高さをうまく出せましたね」とトレーナー。スタートで後手に回ったことで、ゆっくり後ろから行くことになったが、「ああいう形になったのがかえって良かったかな」。直線で再三、前が詰まったことまでも、「逆に脚がたまったのでは」とプラスに受け取っていたが…。

 残り1ハロンほどしか満足に追えない中で、上がりは最速をマークしたのだから、完全に脚を余しているのは確か。「まともなら突き抜けていた」が記者のジャッジだ。

 日程が後ろ倒しになり、NHKマイルCのトライアルレースとなった昨年、いきなりレッドヴェイロンという穴馬(アーリントンCが4番人気3着→NHKマイルCが9番人気3着)を輩出したのがこのアーリントンC。今年もこの組から好配の使者が出るとみて、記者は大いにカテドラルに注目している次第だ。