【天皇賞・春後記】平成ラストGI連勝で決めた! フィエールマン“菊の再現”V 

2019年04月29日 21時29分

勝利し歓喜のルメールとフィエールマン

 28日、京都競馬場で行われたGI第159回天皇賞・春(4歳上オープン・芝外3200メートル)はルメール騎乗の1番人気フィエールマン(牡4・手塚)が、グローリーヴェイズとの激しい叩き合いをクビ差制し、昨年の菊花賞に続く2つ目のGIタイトルを獲得した。また、2番人気のエタリオウは4着に敗れた。

 平成最後のGIとなった天皇賞・春も、やはりルメールだった。2着馬グローリーヴェイズとのデッドヒートを制し、充実した表情で引き揚げてきたルメールは「4角で戸崎さんが外から競りかけてきたけど、彼(フィエールマン)がそこからまた伸びて、最後まで頑張ってくれた」と笑顔で語った。

 レースはヴォージュが先手を取って5ハロン通過59秒8の速い流れ。フィエールマンは鞍上との呼吸も合って中団をスムーズに追走。3角過ぎに動いて直線入り口で先頭に立つと、外から馬体を併せてきたグローリーとの叩き合いを振り切って先頭でゴール板を駆け抜けた。ルメールは「道中もリラックスして走れていた。4角で滑るところがあったけど、すぐにバランスを取って立て直してくれた。その後の直線では段々と加速していった」と冷静に振り返った。

 手塚調教師は「最後の追い比べはしびれましたね。最後はさすがに声が出たけど、4角で手応えがあったし、競り負けないと思っていた」と愛馬の能力を最後まで信頼していた。続けて「AJCC(2着)は菊花賞の疲労のためか、中間に微熱が出た影響もあった。ただ、レース後は疲労がなかったし、放牧先でも休ませるというよりは調教を積んで厩舎に戻ってきた。今回は菊花賞と同じぐらいの状態で出走させられると思っていた」と仕上がりの良さも強調していた。「美浦での追い切り後にルメールが『徐々に上がっていくレースがしたい』と言っていたけど、その通りの競馬をしてくれた」と鞍上にも労いの言葉を口にした。

 もちろん最大の勝因は、フィエールマンの能力の高さにあることは間違いないが、金曜に京都競馬場に入り、土曜にじっくりとスクーリングという菊花賞とまったく同様にメニューを消化、細心の注意を払い、馬を仕上げた厩舎一丸の力も相当だ。

 昨年の菊花賞に続く連勝、これで中長距離界トップを印象づけたが、今後は凱旋門賞挑戦も囁かれる。「これからのことはまだ決まっていないけど、これで選択肢が広がりましたね。いつも辛勝の馬で精神力はあるけど、まだきゃしゃなところがあるし、それに見合う体力が…」と師は今後の課題も口にした。