【クイーンエリザベスII世C後記】ウインブライト初海外でGI初制覇 松岡が現地メディアの“無礼”ねじ伏せる

2019年04月29日 21時27分

後続の追撃を退け優勝したウインブライト(左)

 重賞連勝の勢いは本物だった。28日、香港のシャティン競馬場で行われたGI第45回クイーンエリザベスII世カップ(芝2000メートル)は、日本馬3頭の中では、もっとも人気が低かった(単勝オッズ8・5倍=4番人気)ウインブライトが意地を見せるかのような走りで初海外初Vを決めた。

 人気はなかったが、その競馬ぶりは自信に満ちていた。スタートはひと息も、内枠を生かして1~2コーナーでうまくリカバー。好位の内でジッと脚をため、直線残り300メートルで前が開くと一気に先頭へと襲いかかった。最後はエグザルタント、リスグラシューの猛追を退け栄光のゴールへ。鞍上・松岡はその左腕を高々とシャティンの空に突き上げた。勝ち時計は1分58秒81のレースレコードだ。

 男の意地を見せた。週中の共同会見で現地メディアから畠山師に、なぜ鞍上が松岡なのかという失礼な質問が飛んだ。それに対してトレーナーは「彼が一番この馬のことを良くわかっているからだ」と言い切った。気性的に激しいところを秘めているのは調教の姿を見ても感じられた。この馬の力を100%発揮されられるのは、主戦の松岡しかいない。それは当然の判断だ。

 大仕事をやってのけた松岡は「こういうコースは得意だし、ほかの馬に寄られても折り合いを気にしない。そういう風に教えてきましたから。直線に入る時に余裕があったので、外にさえ出せたらと思っていました。いい結果が出てうれしい」と喜びを爆発させた。畠山調教師も「松岡が水曜(の追い切り)で気合を注入してくれました。あとは暑さでの消耗が極力少なくしないよう調整してきました。直線はスタッフと見ていて、大騒ぎでした。また12月(香港国際競走)に呼んで頂けるよう、日本でパワーアップさせたい」と初挑戦での海外GI制覇に胸を張った。

 ほかの日本馬2頭はいずれもテン乗り。最後に勝敗を分けたのは、一戦一戦で築き上げてきた人と馬の「絆」だったのかもしれない。