【天皇賞・春】フィエールマン データに裏打ちされたセンスと一瞬の切れ味に全幅の信頼

2019年04月26日 21時02分

唯一のGI馬フィエールマン。貫禄を示せるか!?

【天皇賞・春(日曜=28日、京都芝外3200メートル)新バージョンアップ作戦】ゴールデンウイークの真っただ中、「帝室御賞典競走」として昭和12年にスタートした伝統の天皇賞・春が行われる。今回で159回を数える歴史的一戦を、新VU作戦の明石尚典記者は◎フィエールマンで勝負。現行の芝長距離戦のキーワードを「位置取り」と「瞬発力」とし、昨年の菊花賞馬を平成最後の天皇賞馬に指名した。

 10ハロン=2分超の決着は当たり前…。英国に範を取る香港では深い芝での低速決着が定番になっていたが、昨年からその潮目は大きく変わりつつある。2月の香港ゴールドC以降、10ハロン=1分59秒台の決着が頻発。このまま高速化が進めば、競馬の質そのものも変わっていくことは想像に難くない。

 スピード重視の潮流の中でひと足先にその姿を変えたのが、3000メートルを超えるJRAの長距離GI。キタサンブラックがディープインパクトの持つレコードを大きく塗り替えた2017年のラップバランスは前5ハロン58秒3→中間6ハロン74秒0→後5ハロン60秒2。中だるみの大きい中間6ハロンをカットした実質的な10ハロン戦(前5ハロン+後5ハロン)と考えれば、大阪杯からの連勝もうなずける。長丁場らしい消耗戦のイメージはいまや昔。スローペースからの瞬発力比べに様変わりしていることは頭の中に叩き込んでおきたい。

 近5年の天皇賞・春1、2着馬の上がり差は0秒2→0秒5→0秒2→0秒1→0秒6。直線が平坦で極端な上がり差のつきにくい京都では、センス(位置取り)と一瞬の切れ味が勝敗の行方を左右する。掲示板内5頭が自身上がり33秒9~34秒1の狭い範囲にひしめいた昨年の菊花賞は、その典型例とも言うべきレースだ。レースラップ3分割は62秒7→64秒2→59秒2でハロンラップの大半は12~13秒台。直線手前まで全くペースが上がらず、比重のかかったラスト2ハロンは10秒7→11秒3の高速ラップを刻んだ。

“現代化”された長距離戦の象徴ともいうべきラップ構成を、ソツのないレース運びとラスト2ハロンの瞬発力で制したのがフィエールマン。先週の1000万下特別で11ハロンの日本レコード(比良山特別=2分09秒7)が飛び出す馬場レベルなら、今回はある程度ペースが流れるとみる向きもあろうが…。近5年のラスト2ハロンラップは22秒8~23秒9。ペース不問で自身23秒台前半がVゴールの最低条件となれば、やはり位置取りと瞬発力こそが最重要ポイントになる。終わってみれば落ち着くべきところに落ち着いたというのは、よくある話。混戦ムードに惑わされることなく、データに裏打ちされたフィエールマンのセンスと一瞬の切れ味に全幅の信頼を置けばいい。