【天皇賞・春】阪神大賞典7着ケントオー“なぜ急失速したのか”の謎に迫る

2019年04月24日 21時31分

馬房でしばしの休息を楽しむケントオー

【天皇賞・春(日曜=28日、京都芝外3200メートル)栗東トレセン発秘話】阪神大賞典でケントオーの馬券を買い、モニター観戦していたファンは、不思議に思ったのではないだろうか?

 勝負どころで外から上がってくる勢いは十分。これなら馬なりのまま先頭に並びかけようとするシャケトラにはかなわなくとも、2、3着は十分あるはず――。少なくともシャケトラ=ケントオーの馬連&ワイドで勝負していた記者はそう思った。が、画面が切り替わった瞬間、さっきまでの勢いはどこへやら。完全にスピードが落ち、流れ込むだけのケントオーがそこに映っていた。

 まさに「?」まみれの記者。その疑問は、4角で大きくバランスを崩すアクシデントがあったという事実を後から聞いて解消されることに。

「故障したと思ったほどでした。一旦、追うのをやめて、そこからまた追いだしたんですが…。あのアクシデントは痛かったですね。本来ならあそこから伸びてくる馬なので」とは手綱を取っていた幸の弁だ。

 なんでも、当時の阪神芝は同じところで、ケントオーのようにバランスを崩す馬が複数頭出ており、2週後の4歳上500万下ではダイシンクイント騎乗の荻野極が落馬。その後、騎手会から要望があり、JRAが調査した結果、「芝丈が長く、それで上滑りする馬が出た」と原因が解明され、その部分の芝を刈ることで一件落着となったのだとか。

 競馬に「if」は禁物と言われるが、あのアクシデントがなかったとしたら、一体どこまでケントオーはやれていたのか? そこが気になる。

「まあシャケトラにはかなわなかったでしょうが…。あの時点での手応えは良かったし、それ以外の馬ならなんとかなっていたんじゃないかと思います」(幸)

 長くマイル路線中心に走っていた馬が、長距離路線へ。この熟年にきての“転職”を「ひっかかってしまうから、ずっと長い距離は使っていなかったんだけど、もともと獣医さんも〝長い距離向きの心臓をしている〟と言ってくれていたんです。2000メートル以上のレースを使うときは毎回、舌を縛るようにして、折り合いも問題なくなりましたからね」と解説してくれたのはケントオーを担当する高橋厩務員だ。

「さすがに前走(阪神大賞典=7着)がすごくいい状態だっただけに、あれ以上となるとどうかですが、引き続き元気はいいですよ。少し硬さはあるけど、もともと、そういうタイプだし、競馬に行けば、しっかり走ってくれるので」

 もしも、あの時…。その答えを記者は天皇賞・春でぜひ問いたい。もうシャケトラとの馬券を買えないのはちょっと寂しいが、今回の相手は友道厩舎のエタリオウ、ユーキャンスマイルの2頭で大丈夫だろうと思っている。