【皐月賞】ぶっつけ参戦サートゥルナーリア 規格外馬の隠れた真実

2019年04月10日 21時34分

力強い歩みを見せるサートゥルナーリア

【皐月賞(日曜=14日、中山芝内2000メートル)得ダネ情報】先週はグランアレグリアが史上初となる中111日の桜花賞年明け初戦Vを難なく決めた。第79回皐月賞に臨むサートゥルナーリアもまた、昨年暮れのホープフルSから中106日のぶっつけ参戦。しかも鞍上も桜で偉業達成をアシストしたルメールだ。またまた史上初の快挙達成となるのか!? 角居厩舎番の松浪大樹記者が、規格外馬の隠れた真実を次々に伝えると同時に、その無限の可能性にも迫った――。

 あくまで一担当記者の個人的な見解と前置きしたうえで言わせてもらえば、サートゥルナーリアに土がつくとすれば、前走のホープフルSと考えていた。パドックに登場したときに、期待していたほどのシャープな馬体を見せてはくれなかったからだ。

「ええ、その通りです。ホープフルSは八分…いや、そこまでもいってないかな。もしかしたら、六分程度の仕上がりだったかもしれません」と記者の感覚をアッサリと肯定したのは辻野助手。もちろん、そんな仕上がりになってしまったのには理由がある。

「デビュー戦をきっちりと勝たせたかったので、あの当時は結構な調教メニューで時計もバンバン出していた。それが少し行きたがるような面につながったと思うんですよね。それを踏まえた調教を2戦目からはしてきたんですが、ホープフルSは初めての長距離輸送が控えていたじゃないですか。(馬体が)どれくらい減るかが読めないので、お釣りを残した状態で出発した」(辻野助手)

 つまりは“攻め切ることなく、余裕を残した”状態だったわけだ。なのにサートゥルナーリアは長距離輸送をまったく苦にしなかった。それが前走の「12キロ増の真実」。要約するとこういうことになる。

(1)追い込むような調教をすると、かかる可能性があるので、それはできない。

(2)トレセンを出発する段階で、ある程度まで絞り込んでいないと太めが残ってしまう。

 この2点を考慮すると、本質的には適度なレース間隔で出走させたほうがいいタイプ(これも個人的な見解でしかないが)。それでも勝ち続けているのはどうしてか?

 答えはひとつ。持っている能力が違い過ぎるからだ。実は前走のホープフルSは太めが残っただけではなく、その調整の過程から“何かが違うんだよなあ”と感じていたと辻野助手は言う。

「ハマってないわけじゃないんですよ。でも、なんかカチッときてない…そんな感触でしたね。萩Sのときのほうが状態は良かった。これは間違いないです」。そんな背景もあったからこそ、土がつくならホープフルSと感じていたわけだが…。

 ちなみに、この中間は「カチッとハマっている。馬体重も少し減ると思います」と前走以上を強調している。

 2つ目のGIタイトルを取りにいく態勢は整いつつあるし、中山に輸送しても馬体が減らないのを計算して調整するノウハウも得た。ホープフルSのときよりも一段階上げた状態で出走してくることは確実な状況だ。にもかかわらず“何が何でも取りにいく”的な雰囲気を陣営から感じないのはなぜなのか?

 ぶっつけでのGI挑戦。その捉え方は様々だが、同じクラシックでも皐月賞と日本ダービーではレースの重みがまるで違う。ヴェルメイユ賞と凱旋門賞のようなものだろうか? 格はGIではあっても前哨戦。そんな認識でしかないような…。もちろん、これも記者の個人的な見解だ。もっとも、そんな感覚とは別に、今回も何事もなかったように勝ってしまうと思っている。

「前走でもほんの一瞬しか脚を使っていない。しかも、あの抜け出してきた脚も能力のほんの一部でしかないというか…。この馬は6速くらいのギアは持っていると思うんですよ。でも、それを使うところまでまだいっていない。前走で使った脚も4速くらいのものでしょうね」

 名馬の宝庫・角居厩舎でコメンテーターを務める辻野助手は本来、負けたときの言い訳もしっかりと用意しておく慎重なタイプでもある。そんな彼が「能力がこれほどまでに抜けているのは珍しい」と言い切るほどの馬なのだ。

 あまりに気が早い話で恐縮だが、この秋に凱旋門賞を勝つならアーモンドアイではなく、このサートゥルナーリアではなかろうか。そんなことを今年の早い段階からイメージしてきた。もちろん、これもあくまで個人的な見解でしかないことを断っておかねばならないが…。要はぶっつけだろうが、目標ではなかろうが、皐月賞は通過点にしないといけない馬なのである。