【桜花賞】グランアレグリアに「攻め不足」「迫力不足」「早熟の不安」なし

2019年04月03日 21時31分

【桜花賞(日曜=7日、阪神芝外1600メートル)POGマル秘週報】現3歳世代の新馬戦がスタートするのに合わせてリニューアルされた当コラムで、記者が最初にスポットを当てたのがグランアレグリアのデビュー戦だった。

 結果はご存じの通り、東京芝1600メートルで1分33秒6という新馬戦史上最速の時計で圧勝したわけだが…。当時、全く歯が立たなかったダノンファンタジー(2着)が、その後に2歳女王の座に君臨し、桜花賞の主役を務めようとしている。

 新馬戦当時は“生涯逆転は無理ではないか?”と思えるほどの力差を感じたのは記者だけではあるまい。それが今や…。始動戦のチューリップ賞を難なくクリアして視界良好のダノンファンタジーに対し、グランアレグリアは昨年暮れに初の敗北を知った朝日杯FS(3着)からのぶっつけ。立場は完全に逆転した。

 とはいえ、当コラムの「美浦番」としては、グランアレグリアの“現状”をしっかり読者に伝えなくては…という使命感を強く持っている。果たして、グランアレグリアの前走の敗戦は能力的評価を下げざるを得ないものなのか? そして今回の臨戦過程に不安はないのか? この2点を突き詰めなくては、桜花賞の答えは導き出せない。

「前走の敗因は後続に早めにプレッシャーをかけられて経験の浅さが出たのか、それとも違うのか…。そこが重要になると思うんです」とは調教を担当する大江原助手。

 グランアレグリアにとって、当時は初の長距離輸送&牡馬相手。決して低いハードルではなかった。その上で、直線入り口で早々に勝ち馬アドマイヤマーズに外から並ばれる形は確かに酷だったに違いない。

 一方で敗因が違う部分、つまり大江原助手が言葉を濁したところにあるとしたら…。考えられる要因は、成長力(=言い換えれば早熟か否かの可能性)が該当する。デビュー当初に示した素晴らしいパフォーマンスが、その後は一切見られなくなった馬は枚挙にいとまがないのだから…。

「前回は自分の競馬ができていなかったのは確かですから。自分の仕事は持ち味のスピードを生かす競馬に対応できるコンディションに持っていくことだけです」

 このあたりは名門・藤沢和厩舎を支える仕事師ならではの言葉。大江原助手が言わんとしていることは、ベストの状態で送り出すことで、成長力による問題なのかがハッキリするということだろう。

 そうなると、なおさら問題になるのが、ぶっつけでの参戦。正直、グランアレグリアの調教過程を客観的に見れば、かなり地味ではある。

 3月初旬に放牧から帰厩しながらも、南ウッドで5ハロンから時計になったのは27日の1週前追い切りが初めて。それ以外は坂路か、南ウッドでは3ハロンからの軽い追い切りに終始してきた。これは大一番に、ましてや休み明けで臨むにしては明らかにソフトである。しかし、大江原助手の以下の解説に不安は吹き飛んだ。

「実はゴール板を過ぎてからも3ハロンを42秒くらいで流しているんです。そのほうが精神的な負担はかけず、リラックスした状態で肉体的な負荷はかけられますから。もともと、牧場でしっかり乗り込んでの入厩なので、調教量に関しては全く問題ありません。むしろ、こういう調教ができるのは、さすが(藤沢和)先生だと思いますね。気持ちが前に出る馬だから、実戦勘についても心配していません」

 確かに…。グランアレグリアの1週前追いは攻め不足とも、迫力不足とも、ましてや早熟などとは程遠い、活気に満ちた走り。資質の高さを改めて感じた次第である。

“復権”の可能性は大いにあり。記者は強いグランアレグリアをまた目にすることができると思っている。