【JBC3競走】JRA史上初「一日複数GI開催」を検証(1)

2018年10月31日 21時34分

昨年のドバイターフをヴィブロスで制した友道調教師は歓迎派。左は鞍上のモレイラ(撮影=平松さとし)

 JBC3競走(クラシック、スプリント、レディスクラシック=いずれもJpnI)が京都競馬場で開催されることにより、JRA史上初の「一日GI3競走」が実現する。これは競馬ファンが熱望してきた“日本版カーニバルデー”創設への布石になるのか? 複数の関係者を取材し、検証した。

“砂の祭典”と言われるJBC競走は、ダート競走の魅力を広め、地方競馬の振興を目指す理念で2001年に創設。第1回は大井競馬場で行われ、以後は地方競馬が持ち回りで開催していたが、今年は初めて中央競馬に舞台を移す。

 JRAの一日GI複数開催としては、2004年にジャパンC、JCダート(現チャンピオンズC)の2競走が同日に行われた例があるが、3競走は史上初。海外競馬ではカーニバル開催はよく知られており、ドバイ、オーストラリア、香港では一日複数のビッグレースを開催し、街全体がお祭りムードに包まれる。かねてファンの間で「日本でも!」の声が上がっていたが、今開催が盛り上がれば“日本版カーニバル”の待望論に拍車がかかるだろう。

 世界中の競馬を知り尽くす4000勝ジョッキー・武豊は「僕は日本でもそういう日が欲しいと思いますね」と熱望する。現在、騎手会長を務めるレジェンドは事あるごとに「競馬を知らない人に競馬の楽しさを伝えたい」と訴えてきた。カーニバル開催こそ、武豊が追い求めてきた理想郷なのだ。

「競馬場に行ったことのない人のきっかけですよね。海外ではレースの合間に花火を上げたり、飛行機のショーをやったり、競馬が終わったら有名な歌手のコンサートを開いたり。ドバイなんか一番、派手にやってます。そういう雰囲気なら“ちょっと行ってみない?”って競馬を知らない人を誘いやすいでしょ。それに競馬ファンにとっても、一日にクオリティーの高いレースをいくつも見られるってうれしいんじゃないですかね」

 昨年のドバイターフをヴィブロスで制した友道康夫調教師も「やった方がいいと思いますね」と“お祭り開催”を歓迎している。

「競馬に興味のない人への認知度が高まるし、競馬場だけじゃなく、街全体が活性化する。以前、メルボルンCに行ったら、1週間前から街中にオブジェや看板を掲げ、前日にはジョッキーや調教師がオープンカーに乗って街中をパレードするんです。もうすごい盛り上がりでしたね」

 さらに友道調教師は既存のレースをもとに具体案を挙げた。

「以前、ジャパンCとダート戦を同日にやったように、有馬記念とホープフルSを同日開催にしてはどうか? 一年の最後に古馬と2歳のGIで締めてドーンと盛り上がる。それも一つの手だと思いますね」

 一方、東の御大・藤沢和雄調教師は「同じ日に数多くのGIがあれば、外国から参戦するにしてもレースに合わせて適性のある馬を複数で使えるメリットがあるから歓迎できる」と利点を挙げつつも、慎重な姿勢も見せた。

「単純に賞金順(の出走)となると、賞金を持った年長馬ばかりで実力ある若い馬が出られない。それでは意味がない。レーティングなど、しっかりした基準を設け、名前だけではなく、レースの質にこだわってほしい」

 さすがはスーパートレーナー。競走馬を管理する立場として、もっともな意見である。