【JBC3競走】JRA史上初「一日複数GI開催」を検証(2)

2018年10月31日 21時33分

2004年に同日開催されたジャパンC&JCダート。写真はジャパンCゴール前

 JBC3競走(クラシック、スプリント、レディスクラシック=いずれもJpnI)が京都競馬場で開催されることにより、JRA史上初の「一日GI3競走」が実現する。これは競馬ファンが熱望してきた“日本版カーニバルデー”創設への布石になるのか? 複数の関係者を取材し、検証した。

 日本版カーニバルデーへの賛成派が多数を占める中、JRAは慎重な構えを見せている。将来的な「一日複数GⅠ開催」について「現時点では実施する考えはございません」と回答。理由は「売り上げ面」が大きいようだ。

 JRAの理念は「質の高い競走をバランス良く配置することで、年間を通じて興趣あふれる競走をお客さまに提供する」というもの。つまり、売り上げが見込めるGIレースを一日にまとめるより、分散させたほうが安定的な収入を確保できる、というわけだ。「諸外国における成功例は注目に値する」と認めつつも、次のような見解を示す。

「各カテゴリーのチャンピオンが毎週誕生していく現在のスタイルは、長い期間にわたって競馬の最高峰の競走が楽しめ、一頭のチャンピオンに対する注目度がより高まるといった長所もあり、全体としてお客さまからも支持されているものと考えております」

 また、番組編成の観点からも「同日に複数のGI競走を実施すると、その前哨戦となる重賞競走も近似する週に複数実施する必要が生じ、節ごとの重賞競走および条件別の競走数に偏りが出る」との理由で消極的。ちなみに、今回のJBC3競走については「既存のJpnI競走を1年に限ってJRAで引き受けるものであり、競馬番組に大きな影響を及ぼさない」と判断して実施に至った。

 実際、2004年にジャパンC&JCダートを同日開催した際は前年比145%の来場者数となり一定の効果が得られたが、発売額に関してはJCダート直後の番組編成となったジャパンCが前年比91・7%とダウン。「全体として明確な押し上げ効果は認められなかった」という。

 それでも友道調教師が「短期的には馬券に影響が出るけど、長い目で見たらお祭りデーがあってもいい」と主張するように「長期的にはプラス」と見る賛成派は多い。

「お客さまの評価や売り上げ等を検証し、今後の参考としたい」(JRA)との言葉を信じ、日本版カーニバルデーの実現へ新たな展開を期待したい。