【新潟記念・後記】ブラストワンピース菊の主役へ 瞬発力勝負の不安払拭し完勝

2018年09月03日 21時34分

馬場の大外を上がり最速33秒5で突き抜けた池添&ブラストワンピース

 2日、夏競馬を締めくくるGIII新潟記念(芝外2000メートル)が新潟競馬場で行われ、ブラストワンピース(牡3・大竹)が3歳馬としては1983年のアップセッター以来35年ぶりとなる同レース優勝を飾った。単オッズ1・8倍の圧倒的支持に応えての完勝劇。異色のローテで結果を出した同馬の強さは、この秋のGI戦線をどこまでにぎわすのだろうか。

 レース後の検量室前ではホースでたっぷりと水をかけられ、激走の熱を冷ましてもらっていたブラストワンピース。8月上旬の帰厩から約1か月。酷暑を乗り越えてつかんだ勝利だったが、最大の勝因は春と比べて精神面がしっかりしたことにあったようだ。

 スタートして4角までは後方から2~3番手。仕掛けて位置を取りに行ったダービー時とは違ったレース運びで直線に向くと、外ラチ沿いに陣取るファンの眼前をまるでその強さを見せつけるように先頭で駆け抜けた。初の古馬相手にも全く臆するところのない堂々たる競馬っぷりは心身ともに成長した証しだった。

「内枠(1枠1番)でどう乗ろうかと考えていたが、スタートがあの形だったので有力馬を見ながら進めた。(残り)1ハロンで一頭になったけど、終始余裕があったし、ノーステッキでいい勝ち方ができた。落ち着いていたのが一番。馬体も夏を越して成長していた」と池添。これでデビュー戦からコンビを組む相棒との戦績は5戦4勝。次戦のGI菊花賞(10月21日=京都芝外3000メートル)に向けて「何としても取りたいタイトル」と気持ちを込めた。

 大竹調教師は「ダービー(5着)よりも全然落ち着いていたのは(前日入りで)1日置いた分もあったのかもしれませんね。秋に向けてきっちりつくる必要はなかったので、少しおなかのラインに丸みがあるイメージ通りの仕上げ。まだ緩い状態なので攻める余地もある。次に向けて申し分のない競馬ができました」。こちらも鞍上同様に“落ち着き”を勝因に挙げた。

 同師は「上がりはいくつ(何秒)でした?」と報道陣に逆質問するシーンも。レース前は新潟外回り特有の上がりの速い決着を懸念する声もあったが、レース自体は34秒6。自身はメンバー最速の33秒5で、それも杞憂に終わった。瞬発力勝負が顕著な菊の舞台への不安も払拭した格好だ。

 まだ菊花賞トライアルは行われていないが、ダービー馬ワグネリアン(9・23GII神戸新聞杯で始動予定も、秋の最大目標は流動的)の動向を含め、菊花賞ではダービー上位馬以外に目新しいライバルが見当たらない状況。この日の勝利で主役候補に躍り出たのは間違いない。「本番に向けて間隔を空けたかったから」(大竹師)と、あえてセオリー外の前哨戦を選択した背景には、次を見据えた緻密な勝算が見え隠れする。