【キーンランドC・後記】快勝ナックビーナス 数字以上にひと皮むけた快勝劇

2018年08月27日 21時32分

楽々と逃げ切ったモレイラ&ナックビーナス

 26日、札幌競馬場で行われたサマースプリントシリーズ第5戦(9・9セントウルSまで全6戦)のGIIIキーンランドC(芝1200メートル)は、モレイラ騎乗の1番人気ナックビーナス(牝5・杉浦)が優勝した。〝勝負の秋〟に向けて好ステップを踏んだ同馬の快勝劇を振り返る。

 ナックビーナスの重賞初制覇は、同時にジョアン・モレイラ(34)のJRA重賞初勝利でもあった。短期免許で来日するたびに多くの勝利をさらっていくモレイラだが、これが格別な一勝であったことは言うまでもない。JRAの騎手免許取得を目指している今、チャンスをきっちりものにする力は“持ってる”という言葉だけでは片付けられない。

「とても力のある馬でしたし、札幌も特別な場所になりました」と同騎手。中央競馬の騎手として迎えられた時は当然、札幌にとどまらず、全国各地で恐ろしいほど活躍するだろう。もっとも馬券的妙味は薄そうだが…。

 さて、もう一方の主役は5歳牝馬のナックビーナス。ようやくスポットを浴びる日を迎えた彼女だが、今年の春は明らかに昨年とは違っていた。得意とする中山1200メートルのオーシャンS2着までは昨年と同様だが、今年は高松宮記念3着(昨年8着)→休み明けの函館スプリントS3着がともに0秒1差の接戦だった。

 そしてキーンランドCで同レースは3度目の挑戦(過去5→3着)。今年は高松宮記念の後に函館スプリントSを挟んだことでうまく態勢を整えられた。まさに“円熟”のタイミングでマジックマン・モレイラとのコンビが実現したわけだ。

 3ハロン通過は33秒7。同様にハナを切った昨年の3ハロン通過が良馬場で33秒5。稍重の馬場を考慮すれば似たようなペースだろう。ただ先手を取るスタイルは昨年と同じでも、好スタート&好ダッシュから最後まで後続に影をも踏ませぬワンサイドの走りは、数字以上にひと皮むけた姿に映った。

 次走はこのレースで優先出走権を獲得したGIスプリンターズS(9月30日=中山芝外1200メートル)。高松宮記念で先着されたレッツゴードンキとは今日で立場が逆転。そして春のチャンピオン=ファインニードルとの再戦になるが、こちらの迎撃態勢も整った。あとは得意の中山でエンジンを全開にするだけだ。