【WASJ(1)】“マジックマン”モレイラの「強さの秘密」を福永が分析

2018年08月24日 22時03分

“マジックマン”モレイラ

 暮れの阪神競馬の風物詩だったワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)から、名称を変更して4年目となるワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)が25、26日に札幌競馬場で行われる。4回目の今年も世界の各エリアから一流ジョッキーが集まり、国内のトップと腕を競い合う。海外、そして地方競馬からやってきた7人の猛者の中で大注目はやはりあの男。さらに台風の目となる注目の存在は他にいるのか?

 

 WASJの注目は間違いなくこの男だろう。JRA通年免許取得の挑戦を公表して競馬界を震撼させたジョアン・モレイラ(34)だ。

 今夏は7月28日から短期免許で札幌競馬に参戦。わずか4週間で22勝を挙げ、勝率38・6%、連対率49・1%という信じられない成績で大暴れしている。この秋にも短期免許でGI参戦を目指しており、日本人騎手は戦々恐々とするばかりだ。

 今回のWASJでは馬ランクA評価のエンクエントロス(日曜10R)はもちろんだが、前走2着のシルヴァーコード(土曜10R)も上位争いの可能性があり、いい駒が揃った。その大本命を直撃! 通訳のアダム・ハリガン氏を介し、根掘り葉掘り質問をぶつけた。

 まず日本の魅力について「日本人はみな優しくて、すごくお互いをリスペクトしています。治安が良くて大好きです」と語ったモレイラ。好きな日本食は「刺し身。特にサーモン」、日本で行ってみたい場所は「富士山、京都、温泉」、好きな日本の女性タレントについては「テレビを見ないのでよく分かりません…」。この受け答えだけで誠実さが伝わってくる。好きな言葉が「おめでとうございます」というのも好感だ。

「上手だと思う日本人ジョッキーは?」という問いには武豊、福永祐一、四位洋文という3人のダービージョッキーの名を挙げた。その理由は?

「武豊さんはレースの中でのペース判断がすごい、福永さんはグッドハンド。手綱さばき、折り合いが上手です。四位さんはライディングフォーム(騎乗姿勢)がすごく奇麗でバランスがいいです」

 さらに質問をたたみかける。好きな馬のタイプは「強いて選ぶとすれば後ろから来る馬。差し馬に乗っているときの方が気持ちいいです」、自身の特徴については「身長の割に手がすごく長い。だから他のジョッキーと(騎乗が)違うように見えるんだと思います」。

 実は彼が“マジックマン”と言われるゆえんはここにある。モレイラに「グッドハンド」との評価を受けた福永は、その強さをこう分析する。

「手綱を短く持って、ここ(脇)を使って馬を押さえる技術がある。懐も深くて、馬を抱えて動かすので一見、早仕掛けに感じるけど、残り2ハロンを絶対に持たせて伸ばす自信があるから動いていく。馬の扱いが上手やし、すごく研究して乗っていますね」。また、人間性についても「とにかく真面目で勤勉。それに謙虚でシャイやね。日本で成功する性格だと思います」と太鼓判を押した。

 そんなモレイラへ「今回の受験に失敗しても、何度も受けますか?」と問うと「今はポジティブに考えていたい。失敗したら?は考えず、日本にいる間に準備してベストな状態で臨みます」と回答した。

【ジョアン・モレイラ(34=ブラジル)】2000年にサンパウロでデビューし、シンガポール、香港に移籍。14/15シーズンには香港の記録となる145勝を達成、その後も自らの記録を塗り替えていった。現在、日本での通年免許取得を目指している。