【NHKマイルC】テトラドラクマ田辺 優しい師匠に恩返しだ

2018年05月03日 21時32分

テトラドラクマのクイーンC優勝時の田辺騎手と小西調教師(右、撮影=平松さとし)

【平松さとしの重賞サロン】2000年、田辺裕信騎手は競馬学校の2年生だった。実習生として美浦・小西一男厩舎に来るようになると「競馬場への往復が苦痛だった」と苦笑して語る。

「小西先生が運転する車で競馬場まで行くのですが、先生は寡黙な人なので車内は全く会話がありませんでした。土日は朝早くから調教をしているので眠気に耐えるのが大変でした」

 これが苦痛の原因だと言うが、ある日、どうしても耐え切れずに寝てしまったと言う。

「でも、先生は文句を言うわけでもなく相変わらず黙っているから、そのうち寝る回数が増えていきました」

 すると小西師が次のように言った。

「後ろの席で寝ていいよ」

 素直に寝るようになって何日目かに、田辺騎手はさらに驚かされることになる。

「枕が用意されていたんです」

 こんなに優しい先生はいないと思うという師匠の馬で、今年の2月には重賞を勝利した。それがクイーンCを優勝したテトラドラクマだ。疲労が回復せずに桜花賞を回避したが、その後、じっくりと間を空けて今週末のNHKマイルC(日曜=6日、東京芝1600メートル)に登録してきた。
「優しい師匠の馬で大きいところを勝ちたい」と語る田辺騎手の願いがかなうよう、応援したい。

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