【香港総括】圧勝パキスタンスター まともに走れば世界トップレベルを証明

2018年05月03日 11時02分

世界でもトップレベルの馬パキスタンスター

【香港総括=TPC秋山響の海外競馬解析】ようやくまともに走った、というのが率直な感想だ。

 4月29日に香港シャティン競馬場で行われたGIクイーンエリザベスII世C(芝2000メートル)。地元香港のパキスタンスター(セン5)が好位3番手で流れに乗って3馬身差の完勝。GI初制覇を飾った。

 パキスタンスターは、昨年のこのレースでもネオリアリズムの2着に食い込むなどGI級の力を示していたのだが、昨年6月のGIIIプレミアプレートで事件が起こる。

 なんとレース途中に自ら減速。最終的にはゴールまでたどり着いたものの、4着馬から遅れること約1分の最下位5着に終わり、出走停止処分を受けたのだ。単勝1・2倍という圧倒的な1番人気馬の大惨敗だっただけに、陣営に罵声を浴びせたファンもいた。

 その後「馬と話す男」の異名を取るモンティ・ロバーツ氏を米国から招くなど陣営によってメンタル面でのケアが懸命に行われ、なんとか今年2月のGI香港ゴールドC(4着)で戦列に復帰したが、前走4月8日のGIIチェアマンズトロフィーでは再び“怪しい”そぶりを見せて4着。

 その結果、今回のレースは4月20日のバリアトライアル(実戦形式の調教)における調教審査にパスしなければ出走できないという切羽詰まった状況だったのだが…。そこでこれまで見せたことのないような行きっぷりを披露。変わり身を予感させていた。

 まだ全面的に信頼するわけにはいかないが、まともに走れば世界でもトップレベルの馬であることは今回の走りを見ても明らか。今後もこの馬の走りから目が離せない。