【皐月賞】オウケンムーン 関東馬の“必殺ローテ”で一気に頂点へ

2018年04月10日 21時30分

いつの間にかクラシックの階段を駆け上がってきたオウケンムーン

【皐月賞(日曜=15日、中山芝内2000メートル)dodo馬券】「1強」の図式から一転、ピラミッドの頂点を欠く秩序なき乱戦に変貌した牡馬クラシック第1弾の第78回皐月賞。ならば、ここはまさに当欄の出番。ダノンプレミアム以外に負けていないステルヴィオ? ワグネリアン? だが、ナンバー2はあくまでナンバー2で、当欄は目下3連勝中の◎オウケンムーンで勝負。桜花賞を制覇(アーモンドアイ)した厩舎の勢いにも乗って一気に頂点に立つ。

 関東を代表する国枝厩舎に所属しながら8番人気だったデビュー戦。それがオウケンムーンの本質を端的に示している。

「稽古はもたもたしているし、時にはかかってみたりと不格好。ビュンと切れるアーモンドアイとは対照的な印象を最初は受けたんだ。それが競馬にいくとセンスのいいアクションをするんだから不思議な馬だよ。当初はなぜ走るのか首をひねったくらいだけど、馬がお金のある場所を知っているのかな(笑い)」

 厩舎の番頭格・佐藤助手がこう語るように、普段は馬体も含めて目立つものがない。前走のGIII共同通信杯では1勝馬たちにも劣る6番人気止まりだったのも、調教の走りが地味でアピールに乏しいからだ。

「それでも競馬では、追ってからの反応と切れの良さが際立っていた。ちょっと頭が高い走法でデタラメ感はあるけど、逆にそれで脚がたまっているのかもしれないね」(同助手)

 ターフの上でこそオーラを放つタイプなのだろう。重賞初挑戦であっさりとタイトルをゲット。そして陣営は皐月賞直行を決断する。一昨年の皐月賞馬ディーマジェスティと重なるのは、ローテーションだけではない。共同通信杯はともに6番人気の勝利で勝ち時計は揃って1分47秒4。話がややオカルトじみてきたが、同馬には皐月賞馬の再来を思わせる成長力が備わっているのも確かなのだ。

「父が菊花賞馬オウケンブルースリだからね。少なくとも早熟ってことはないでしょう。普通はデビューから崩れたり上下の波があるものだけど、この馬はずっと上がっている感じ。ちょうどいいサイズの馬体で負担が少ないせいか、とにかく丈夫なのがこの馬の強み。丈夫であることの重要性はキタサンブラックが証明しているからね」

 2015年のドゥラメンテも歩んだ共同通信杯→皐月賞は関東馬における“必殺ローテ”。熟成期間をじっくり取って鍛え上げられたのはアーモンドアイと同様だ。東の伏兵が、確たる主役なき牡馬戦線で一気にのし上がるシーンがあってもおかしくない。