【桜花賞】彗星アーモンドアイが「女傑ジェンティルドンナの再来」とささやかれる理由

2018年04月04日 21時33分

満面の笑みでアーモンドアイとのツーショットに納まる国枝調教師

【桜花賞(日曜=8日、阪神芝外1600メートル)得ダネ情報】無敗の2歳女王ラッキーライラックが、桜花賞トライアル・チューリップ賞も完勝。通常ならその時点で「不動の1強」という図式が完成するはずが…。そんな常識を打ち破るべく出現した「彗星」アーモンドアイは、性別を超えたすごみを放っている。

 女傑ジェンティルドンナの再来――。アーモンドアイがそうささやかれる理由は、単に牡馬相手のシンザン記念を制した同一性のみならず。何といっても、その勝ちっぷりが圧巻だった。スタートで出遅れた上に、前半4ハロン通過が49秒0とペースも上がらず…。雨中の決戦(稍重)を踏まえれば、限りなく厳しい状況の中、まさにそこから“伝説”は始まった。

「テレビでの観戦になったけど、あまりに一瞬のことで声も出なかった」

 厩舎の番頭格・佐藤助手をしてそう言わしめたのは迎えた直線。逃げたカシアス、2番手を進んだツヅミモンの叩き合いに目が行く中、刻まれたレースラスト2ハロンのラップは11秒7→11秒5。それでいて「他が止まって見えた」と言うのだから、大外から飛んできたアーモンドアイの末脚がどれだけすさまじかったかが分かろう。

「普通ならラストは伸び切ったいっぱいいっぱいの走りになるもの。ところがこの馬はトモの踏み込みが深く、胸をグッと張って伸びてくる。かなりの余裕があった証拠でしょう」(佐藤助手)

 そんな余裕を持って差し切ったアーモンドアイ自身のラスト1ハロンは推定11秒フラット。まさに怪物級の瞬発力が浮き彫りとなった一戦でもあった。

「アパパネがナタの切れ味なら、こちらはカミソリのそれ」

 同じく国枝調教師が管理していた2010年の牝馬3冠馬(計5冠)を引き合いに出すのも、歴史的名牝の可能性を感じ取っているからこそだろう。

「確かに“ひょっとしたら”と思わせる器。前走は(戸崎)圭太も流れとか馬場とか、そんなこと眼中にないようにドッシリ乗っていたからね」
 もっとも、気になるのはシンザン記念からぶっつけとなる点。過去にこのローテで桜花賞を制した例が皆無であるのは歴史的事実である(12年ジェンティルドンナはチューリップ賞=4着を挟んでの桜花賞制覇)。それでも…。

「3か月ぶりの前走でも、あれだけ走ってしまう馬。トライアルを挟む必要はないと感じたし、放牧を挟んでキ甲も抜け、体も成長した。前走はたまたま下を向いた時にゲートを切られて出遅れたけど、まともならある程度届く位置で運べるはず。うまく外に出せば、しまいの脚は負けないと思うんだよね。ラッキーライラックがどんな競馬をするかだけど、こちらは敵はあれ、という競馬をするだけ」(国枝調教師)
 常識を打ち破れ――。限りなく「1強」ムードの4・8桜花賞だが、そこで歴史的名馬誕生のシーンを目撃する可能性も決して低くはないはずだ。