“持ってる男”武幸四郎厩舎ならいきなりクラシック戦線参戦も! すでに2頭がゲート試験クリア

2018年03月28日 21時30分

スーツ姿がりりしい武幸調教師

【POG日本一 吉田竜作のマル秘週報】美浦トレセンにはかなり早い段階でゲート試験をパスした2歳馬がいる。「ほかに入厩させる馬がいないんだろう」と冗談交じりに口にする関係者もいるが、準備は早いに越したことはない。実際、近年の「関東馬の反攻」は、この手の動きと無関係ではなかろう。

 2歳~3歳春にかけての番組が充実してくるにつれ、より重要になってきたのがGIへ出走させるための早めの賞金確保。ひと昔前は「能力さえあれば、年明けデビューでも(クラシック制覇に)間に合う」と言われてきたが、実際のところ、これが当てはまるような馬は10年に1頭というレベルでしか現れていない。過去10年の桜花賞、皐月賞、オークス、ダービーで見ると、年明けデビューでの優勝は2010年オークスのサンテミリオン(アパパネと同着V)ただ1頭。2歳戦の充実ぶりが進む近年の傾向からすれば、むしろ早期デビューこそが、クラシックの“王道”になりつつある。

 記者がこの世界に入った二十数年前などは、「トレセンに来てから基礎体力をつける」という厩舎もあったし、実際に「3か月は乗り込んでからデビューさせる」と口にしていた調教師も少なからずいた。ところが、現在はノーザンファームも、ビッグレッド軍団も、1歳の終わりころから人が騎乗しての調教を行っているし、屋根付きの走路など、トレーニング施設の充実で効率良く鍛えることができるようになった。

 加えてトレセン近郊に、十分な調教環境が整った育成施設が多くできたことによって、「ゲート試験だけ合格して放牧」に出しても、緩めることなく、レースに向けて鍛えられる。牧場サイドの動きともリンクしたこうした流れが、早期デビュー馬が、早い時期に賞金を獲得し、順調にクラシックロードに進む形を、より強固なものにしているのだろう。

 そんな中、栗東トレセンにもようやく2歳馬が入厩してきた。それも開業から管理馬が連勝と抜群のスタートダッシュを決めた、あの武幸四郎厩舎に。トーセントルネード(父マンハッタンカフェ、母エリーゼパレス)とトーセンベリーニ(父キングカメハメハ、母スペシャライズ)の牡馬2頭がそれで、実はゲート試験も23日に早々とクリアしている。

 かつては開業間もない厩舎からクラシック路線に乗る馬が出ることはそうはなかったが、育成環境が昔とは違う今は、前述通り早い時期から2歳馬の準備に充てられること自体が大きなメリットになる。

 ましてジョッキー時代だけでなく、トレーナーとしても、早くも「持ってる男」ぶりを発揮している武幸四郎なら、来年のクラシックに早くも大物を送り込んでも、驚くほどのことではないのかもしれない。