【マーチS・後記】重賞初Vセンチュリオン「中山の鬼」証明

2018年03月26日 21時30分

重賞初Vのセンチュリオン。鞍上は幸、右は田村調教師

 GIIIマーチS(25日=中山ダート1800メートル)は、2番人気のセンチュリオン(牡6・田村)が2着クインズサターンにハナ差の勝利。デビュー23戦目にして待望の初タイトルをゲットした。全8勝が中山ダート千八というスペシャリストの走りを振り返りつつ、今後の可能性を探る。

「7つ勝ってやっと重賞に挑戦できた。その7勝はすべて中山。それだけにこの舞台は譲れないと思っていた」

 こんな田村調教師の執念が乗り移ったセンチュリオンの重賞初V。昨年マーチSは補欠1番手で無念の賞金除外。2年越しの挑戦を見事に結実させた背景には、陣営の周到な準備があった。

「競馬で乗れなくとも主戦であり馬を知る大野にあえて先週、今週と稽古をつけてもらった。そのかいあって木曜(22日)には体が締まって非常にいいデキを確認できた。幸にはレースを勉強しておいて、と伝えたし、気が乗っているから好位置につけられる、と当日の作戦会議で話した」

 1番人気ハイランドピークのよもやの後方待機に場内がどよめく中、レースは陣営の狙い通り好位の4番手を追走。5ハロン通過61秒7の平均ペースを手応え十分に進んだ同馬が動いたのはラスト3ハロンからだった。

「前を射程圏に入れながら後ろを気にしつつ行ったが、立ち回りがすごく上手で僕は何もしなかったと言えるほど。すごく乗りやすい馬ですね」

 テン乗りで期待に応えた幸は控えめに語ったが、残り1ハロン手前で先頭に立つ堂々の横綱相撲。後続の追撃を抑え込んだ走りは、さすが“中山の鬼”と言わしめる力強さにあふれていた。

「直線はよく踏ん張ってくれた。中山なら重賞を取れる可能性は極めて高いと思っていたが、ここまでが長かったね」

 感無量の面持ちの田村調教師。気になるのは次なるステップだが「これからひとつずつ勉強させてもらう、ってことでいいんじゃないですか」。今回をひとまずの終着点とする形で同師は愛馬を慰労した。

 確かに今回はオープン入り初戦のハイランドピークが断然の1番人気になる組み合わせ。タイトルを積み重ねるには、さらなる強敵を他場で打ち負かすことが求められる。それでも「今は力をつけている途中。これからも成長してくれそう」という幸の言葉が確かなら…。“中山限定”の看板を外して活躍する日が来るはずだ。