【POG】「西高東低」がこれからも続くとみる根拠は…

2018年03月21日 21時30分

トップトレーナーの池江調教師

【POG日本一 吉田竜作のマル秘週報】今年の大阪杯(4月1日、阪神芝内2000メートル)に大挙4頭を送り込む池江厩舎の攻勢は古馬路線に限ったことではない。「毎年ダービーには出したい。もちろん、場合によっては数頭出すこともある」とは当の池江調教師だ。

 大前提となるのは「馬の質」。池江調教師自ら「ウチの馬の質なら(誰でも?年間)40勝はできると思うよ」とサラッと言ってのけるが、続く言葉にトップトレーナーの強烈な自負が感じられる。「でもね。それ以上を勝たせるのはなかなかできないと思う」

 昨年はJRA・63勝を挙げ、リーディングを奪取。単純に1頭が1勝で止まっていては、この勝ち星は積み上げられない。では、どのようにして数字を伸ばしているのか? 最初に挙げたのは厩舎スタッフの質だ。

「馬は人に合わせてしまうところがある。人が扱い切れなければ、その馬の才能を伸ばしてあげることはできないからね。優秀な人材を獲得することと、厩舎で技術を磨いていくことが大事。ウチはそれができている」

 実を言うと、トレセンでは調教師が採用する人材を選べる自由はなく、どちらかといえば厩務員、調教助手が「選べる」立場にある。その中でトレーナーが満足する陣容で固めるには、かなりの労を要したはずだ。

 そして、もう一つが実績。もう少し踏み込んで言えば、実績によって獲得した馬房数といった方がわかりやすいか。

 現在の池江厩舎の馬房数は「28」。オルフェーヴルがデビューする前年の2009年の時点では「24」だった。数字にしてわずかに「4」しか違わないが、この差が劇的な進化をもたらした。

「馬房数が少ないうちは出走回数も増やさなくてはいけないので、どうしても馬の入れ替えが頻繁になります。そうなるとトレセンで調教する時間は少なくなってしまう。それが馬房数が増えると回数を使うのにも余裕ができるからね。最近は以前に比べてトレセンに戻す時期を少し早めていますし、その分、こちらで乗り込めるようになった。追い切りの本数にして2本くらい違うのかな。その差は大きいと思いますね」

 トレセンの周りにある牧場の設備も充実はしてきたが、やはり“レース仕様”に仕上げるにはトレセンの施設で負荷をかけることが一番。それはディープインパクトを一度も放牧に出さなかった実父・池江泰郎元調教師の功績を見てもよくわかる。池江調教師はそうした先達の功績も、現在の躍進の礎と捉えている。

「父や松田博(元)調教師などのやり方をノーザンファームしがらきの松本獣医などは、よく理解してくれていて。そうした人たちがトレセンで鍛えることの重要性を証明してくれたからこそ、今の自分たちのやり方も尊重してもらえる。栗東にはそうしたものが根付いているのが大きい」

 近年は関東馬の躍進も目につくが、こうした揺るぎない下地があるうちは、まだまだ“西高東低”の勢力図に大きな変化は起きないのではないか。すなわち、POGにおける“西高東低”もまた、大前提の戦略として続けていくのが正解のような気がする。