【トレセン秘話】“遅れてきた良血”ヴィルトゥースに注目

2018年03月16日 21時00分

【栗東トレセン発秘話】本来なら「期待の新馬デビュー!!」といった感じでメディアで大きく取り上げられたであろう良血馬が、ひっそりとこの時期の3歳未勝利戦で初出走となることは、そう珍しくはない。その大半は体質が弱くて初陣がズレ込んでしまったケースで、既走馬相手ということもあり、結果が出ないこともまた多いのだが…。

 土曜阪神の3歳未勝利戦(牝)(芝外1800メートル)でデビュー予定のヴィルトゥース(石坂正)はまさに“遅れてきた良血”の典型と言えるだろう。父ディープインパクト、母ドナブリーニ。そう、史上初となるジャパンC連覇など、GIを7勝した名牝ジェンティルドンナの全妹にあたる。

 この馬のデビューがここまで遅れた理由は単純明快。「カイバをまったく食べず、体が増えないから。それで遅れた」(担当の和田助手)。現在でも390キロ前後しかないというのだから、その小ささが分かるだろう。

 1歳上の全姉ベルダムも同じくらいの“小兵”で、デビューから17、15、15着で抹消してしまったことを思えば、このヴィルトゥースも不安が先に立ってしまうが、「体がないこと以外は何も言うことがない」なら、稽古でも推進力が感じられなかった姉とはパターンが違うのかも。

 なんでもジェンティルドンナを担当していた日迫厩務員がこの馬を見て「ジェンティルに顔が一番似ている」と言うほどのルックスで、今週の追い切りに騎乗したルメールも「すごくいい走りをする」と絶賛したのだとか。

「以前よりはマシとはいえ、カイバ食いが悪いから、体がないなりにしか調教ができない。競馬にいってスタミナ切れを起こす恐れも…。こればかりは走ってみないと分からない」と和田助手は半信半疑だが、名牝のDNAを少しでも受け継いでいれば…。そのデビューを温かく見守りたい。