【弥生賞】ダノンプレミアム中内田調教師は勝利に貪欲な「競馬界のニューウエーブ」

2018年02月28日 21時33分

中内田充正調教師

【弥生賞(日曜=3月4日、中山芝内2000メートル=3着までに4・15皐月賞優先出走権)】昨年の最優秀2歳牡馬に輝いたダノンプレミアムを管理する中内田充正調教師は39歳。もちろん、トレセンでのキャリアはまだ浅く、調教師としても若手としてくくられるが…。牧場オーナーの家庭に生まれ、学生時代から海外へ留学。本場で競走馬を育てるノウハウを学んできたその経歴はまさに「競馬界のニューウエーブ」と呼ぶにふさわしい。

 2014年の開業から成果を上げ続けてきたトレーナー生活は、はた目から見た通り、順風満帆だったのか? 師は「まだまだです」と即座に返答した。それは謙遜でもなければ、単なる照れ隠しでもない。まだまだ通過点…という思いがハッキリと読み取れる。その目指すところは?

「昨年の最高勝率調教師は目指していたところのひとつではあります。ただ他の厩舎と比べて数字がどうのということではなく、出走させる馬はすべて勝ちたいと思ってやっていますから。負けて悔しかったことの方がよく覚えているんです」

 ダノンプレミアムについての質問に、師は幾度となく、「これはダノンプレミアムに限ったことではありませんが…」というフレーズを使った。管理するすべての馬に最善の調整法を模索し、最も勝利に近づける状態で出走させることが目標。口にすることは簡単だが、建前ではなく、本気でそれを実践しようと努力し続けていることが、中内田厩舎の最大の特徴と言えるのかもしれない。

 水曜の最終追い切りまで済ませた馬が、木曜の出馬投票の時点で回避することもしばしば。投票ギリギリまで厩舎スタッフはディスカッションを交わし、調教で見えた課題や、その後のカイバ食い、予想される馬場状態など、何かしら勝利を遠ざける要素が見つかれば出走を見送る。

 そのスタンスをこれまで崩さずに続けてこられたのは、厩務員や調教助手といった厩舎スタッフにとどまらず、実戦はもちろん、調教にも携わるジョッキーたち、レーシングマネジャーや外部スタッフも含めたチーム力が、開業から4年の間に培われてきたからに他ならない。

 成功を目指すに抜け道なし――。ひたすら勝利を追い求める強い意志の先に、オールドファンにも夢を抱かせる競馬の新たな形があるのかもしれない。