【阪急杯・後記】武豊ダイアナヘイロー劇的V 好走呼んだ開幕馬場

2018年02月26日 21時30分

武豊の好リードに導かれたダイアナヘイロー(左)が見事に逃げ切った

 GIII「阪急杯」(25日、阪神芝内1400メートル=1着馬にGI高松宮記念優先出走権)を制したのはダイアナヘイロー(牝5)。今月いっぱいで定年引退する福島信晴調教師の管理馬が劇的な勝利を飾り、レース後のウイナーズサークルは異様な雰囲気に包まれたが、忘れてはいけないのは昨年の北九州記念に続く2つ目の重賞制覇を飾ったダイアナヘイロー自身の走りの検証。主戦・武豊のコメントをメインに同馬の今後を探った。

 引退する福島調教師にささげる劇的な勝利――。2018年阪急杯の記憶はそのようにインプットされることになるだろうし、手綱を取った武豊も「今回は福島先生の最後のレースということに尽きる。お世話になった方の最後に携われて良かった」と語っている。松永幹夫調教師が、騎手引退最終日に勝った06年ブルーショットガンと並び“競馬の神様が降臨した阪急杯”と表現するメディアもあるかもしれない。

 しかし、管理する調教師が引退しても、ダイアナヘイローのキャリアは続く。新馬戦の1600メートルを勝っているとはいえ、それ以外の5勝はすべて1200メートルという生粋のスプリンターが、1400メートルで初勝利、それも強敵相手の重賞でマークした要因を、ドラマ性抜きで掘り下げなければ、同馬の未来を考えることはできないだろう。

「最初からハナに行こうと決めていたわけではないんだけど、1400メートルのほうがテンで無理するところがないね。今回は行くはずの馬(アポロノシンザン)が行かなかったし、その分だけ脚が持ったのかな、というのはある」と語った武豊。ただ、ペース以上により大きな勝因として挙げたのは馬場だった。

「開幕週というのが良かった。道悪でも芝の根付きがいい時は問題ないんだよ。でも、芝が荒れている時は良馬場でも走れない」

 その発言を聞けば、先週のGIII京都牝馬Sを回避し、開幕週の今回に変更した陣営の英断が呼び込んだ勝利と言えなくもない。相手関係よりも走れる環境を整えることが重要な馬なのだ。

 福島厩舎を離れ、次走以降は大根田厩舎の所属馬として走ることになるダイアナヘイロー。「GIIIと言わず、GIIやGIの舞台でいい競馬をしてほしい」という福島師のエールを受け、向かう先はGI高松宮記念(3月25日=中京芝1200メートル)になるのだろう。となれば、課題は開催最終週の芝状態。馬場状況の推移を把握することで、同馬の好走確率をはじき出せることになる。