【東京新聞杯・後記】久々の勝利リスグラシュー 牝馬の頂点への課題は精神面

2018年02月05日 21時31分

馬群からスパッと抜け出した武豊=リスグラシュー(右)

 GI馬3頭が出走した豪華メンバーのGIII「東京新聞杯」(4日=東京芝1600メートル)は、3番人気のリスグラシュー(牝4・矢作)が差し切り勝ち。2016年GIII「アルテミスS」以来の勝利を同じ東京マイルの舞台で挙げた。堅実な半面、これまでなかなか勝ち切れなかったが、牡馬相手に華麗に差し切った競馬は今後の飛躍を期待させるものだ

 昨年の牝馬3冠を2→5→2着で終えたリスグラシュー。世代屈指の能力は誰もが認めるところだったが、同時に勝ち切れないもどかしさもずっとついて回った。それが、今回は牡馬を含めた古馬との初対決で久々の勝利。これまでの惜敗が地力の裏返しだったことを改めて証明した。

「芝はかなり緩くて決していい馬場状態ではなかったが、しっかりとしたストライドで走ってくれた。3角でペースが落ちてかかりそうになったけど、我慢もできた。(直線で馬群を割ったことに)昨年まではああいうところで遅れることがあったが、今日は違って反応がすごく良かった」

 3冠すべてで手綱を取った鞍上の武豊も確かな成長を感じ、安堵の表情でレースを振り返った。2着サトノアレス、3着ダイワキャグニーと上位3頭を4歳馬が独占。牡馬牝馬問わず、4歳世代のレベルの高さも浮き彫りになった。

「GIIIじゃもったいないメンバー。この相手に、まして55キロを背負って勝てたのは大きい。(GI馬の)アドマイヤリードが54キロだったんだから。調教の段階でパワーアップは感じていた」と矢作調教師。確かに57キロのサトノアレスを含め、4歳勢には過酷に映った斤量での好走はことさら価値を高める。

 一方、栗東坂路で4ハロン49・8秒の最終追い切りの影響で「時計を出し過ぎてイレ込みがきつかった。ゲートも怪しかったし、今後は精神面が課題になる。馬体重ももっと増えていると思ったが、自分で体をつくったね」とトレーナー。4キロ増で448キロだった馬体重も、本来は460キロほどを見越していたそうだ。

 今後はGII「阪神牝馬S」(4月7日=芝外1600メートル)からGI「ヴィクトリアM」(5月13日=東京芝1600メートル)が有力。登録のあるドバイ遠征は「あればターフだけど、(いずれもノーザンファーム生産の)ヴィブロスにネオリアリズム、それにウチ(リアルスティール)もいるから」と微妙なニュアンスだった。

 国内でソウルスターリングなど同世代との再戦を含めた牝馬の頂点を目指すとすれば、そのカギを握るのは精神面の強化にかかってきそうだ。